2014年4月22日

Unicode IVS/IVDを活用する異体字検索入力ツール
「超漢字検索 文字情報基盤対応版」を新発売
- 自治体向けには体験版モニタ制度を実施 -

ソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5759-8305、資本金 1,000万円)は、Unicode IVS/IVD(*1)とIPAmj明朝フォント(*2)を活用して読めない漢字や異体字をすばやく検索、入力できる法人、自治体向けのWindows版文字検索ツール「超漢字検索 文字情報基盤対応版」を開発し、2014年4月25日より発売いたします。

人名や地名などの情報をパソコンで扱う機会は増えていますが、コンピュータ上で扱える文字の制約により、一部の漢字については、意図した字形での表示や印刷ができない場合がありました。たとえば、「渡邊」の「邊」、「斎藤」の「斎」、「葛飾」の「葛」などの漢字には多くの異体字がありますが、従来のコンピュータの文字環境では、これらの異体字を区別することができず、異体字の多くは利用できない状況でした。必要な漢字は外字にする方法もありますが、外字は他の環境で使えないため、インターネットなどによる情報共有ができません。

このような状況を改善し、来たるべき電子政府や電子自治体の時代における円滑な情報交換の基盤とするため、2002~2008年度にかけて実施された「汎用電子情報交換環境整備プログラム」(*3)により多くの異体字を含む67,951字の漢字コード表(漢字情報テーブル)が定められ、これに対応した「IPAmj明朝フォント」も2011年10月に公開されました。また、より多くの漢字や文字、異体字などをコンピュータ上で扱うためのコード化の方法として、UnicodeのCJK統合漢字拡張(CJK Unified Ideographs Extension A/B/C/D)やIVS/IVDの仕組みが導入され、Windows 8.1などの新しいOSでは、「IPAmj明朝フォント」により5万字以上の漢字を扱える環境が整ってきました。

使える漢字や異体字が増えたことにより、その中から適切な漢字を選択して効率よく入力する手段も必要となります。そのために最適なツールが「超漢字検索 文字情報基盤対応版」です。漢字の読みや画数はもちろん、漢字の一部(*4)や異体字、それらの組み合わせなどを用いた直感的で分かりやすい操作で漢字を検索でき、見つけた漢字はメモ帳、Word、Excel、Internet ExplorerなどのWindowsアプリケーション(*5)に貼り込んでご利用いただけます。

パーソナルメディアでは、これまで特定のお客様向けのカスタマイズ版(*6)として「超漢字検索IVS強化版2」を提供してきましたが、「IPAmj明朝フォント」による異体字利用に対する要求の高まりや、Unicode IVS/IVDに対応済みであるWindows 8/8.1の普及を受け、カスタマイズ不要ですぐに使える標準版についても「超漢字検索 文字情報基盤対応版」として販売することにいたしました。「超漢字検索 文字情報基盤対応版」の価格は、10台までのPCで利用可能なライセンス付きのパッケージが15万円(税別)となっており、1台あたり15000円でご利用いただけます。また、自治体様に対しては、3ヶ月間無償でご利用いただける体験版モニタ制度を実施します。

「超漢字検索 文字情報基盤対応版」と「IPAmj明朝フォント」により、異体字の検索や入力の操作が大幅に効率化できるのに加えて、これまで人名用異体字などを扱うために必須だった外字の多くが不要となり、外字の作成や維持にかかるコストも削減できます。外字の整理や削減は、地方公共団体の情報システムを効率的に運用できる自治体クラウドの利用や(*7)、2016年から実施予定のマイナンバー制度の導入のためにも、重要な要件となっています。パーソナルメディアでは、「超漢字検索IVS強化版2」や「超漢字検索 文字情報基盤対応版」のご提供に加えて、外字の同定、整理を行うツールや、システムの移行に必要となる外字データの変換プログラムなど、お客様のご要望に応じた多様な漢字ソリューションを提供していく所存です。

(*1)
Unicode IVS(Ideographic Variation Sequence: 異体字シーケンス)とは、Unicodeにおいて、漢字の異体字をコード化して扱うための規格です。CJK統合漢字の字形の差異を使い分けるための字形の一覧が、IVD(Ideographic Variation Database: 漢字字形データベース)として公開されています。現在、IVDには、"Adobe-Japan1" と "Hanyo-Denshi" の2つのコレクションが登録されています。
(*2)
「IPAmj明朝フォント」は、Unicode IVS/IVDの "Hanyo-Denshi" コレクションに対応した多漢字フォントとして、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が無償で公開しているフォントです。「戸籍統一文字」の55,270字や「住民基本台帳ネットワークシステム統一文字」の19,563字など、約6万字の漢字を含んでおり、従来は外字を利用していた人名、地名などの異体字についても共通のコードで扱うことができます。
IPAmj明朝フォント
http://mojikiban.ipa.go.jp/
(*3)
汎用電子情報交換環境整備プログラム 成果報告書
http://www.meti.go.jp/information/downloadfiles/c100806a04j.pdf
(*4)
「超漢字検索」では、部首はもちろんのこと、部首以外の漢字の構成部品や、それらの組み合わせを検索キーとして指定できます。そのため、漢字や部首に関する知識を持たない方でも容易に使いこなすことができます。たとえば、紙の辞書で「嶋」という字を探す場合、部首の知識がないと、「山」「鳥」のどちらの部首に掲載されているか迷いますが、「超漢字検索」では単純に「山 鳥」の両方を検索キーとして指定できます。
(*5)
Windowsおよび貼り込み先のアプリケーションが、Unicode IVS/IVDに対応している必要があります。Windows 8以降、Microsoft Office 2013、Internet Explorer 10以降の環境であれば対応済みです。また、貼り込み先のアプリケーションでは、「IPAmj明朝」フォントを指定しておく必要があります。なお、Windows 7、Microsoft Office 2007、Office 2010などにおいては、IVS対応のための追加プログラムである "Unicode IVS Add-in for Microsoft Office" をダウンロードしてインストールすることにより、IVSの機能が利用可能となります。
IVS Add-inのダウンロード
http://ivsaddin.codeplex.com/
(*6)
お客様がこれまでに利用されていた外字の検索機能などを追加しています。
(*7)
自治体クラウドと外字との関係については、たとえば次のページに説明があります。
自治体クラウドポータルサイト
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/lg-cloud/
外字の実態調査に係る調査報告書等
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/lg-cloud/02kiban07_03000021.html

図表

図1.
「超漢字検索 文字情報基盤対応版」で「松」の異体字を検索
※ 緑色:Unicode収録文字、橙色:汎用電子コレクション収録文字、桃色:Adobe-Japan1コレクション収録文字
図2.
文字情報画面でIPAmj明朝フォントで表示可能な「邊」の異体字を表示
図3.
Excelのシートに「葛」の異体字を貼り込んだ例

参考情報、リンク集

プレスリリース印刷用PDF


  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • 超漢字はパーソナルメディア株式会社の商標です。
  • Windows, Word, Excel は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。その他の商品名などは、各社の商標または登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、画面イメージなどは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、製品改良などのために変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。
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