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1.4 bctype.h

ヘッダ <bctype.h> は、 標準 C における <ctype.h> に対応し、 文字種別の判定および文字の変換に用いるためのいくつかの関数を宣言する。

ここで言う文字コードは 2 bytes の TRON 文字コード TC ではなく、 1 byte の文字コードである。

真偽の判定のための一連の関数は、 真の場合に非 0 の値を返し、偽の場合には 0 を返す。

isalnum
 
英数文字の判定

【形式】

int  isalnum(int c)

【パラメータ】

int c   判定する値
        unsigned char で表現できる値を指定する

【リターン値】

≠0  isalpha(c) または isdigit(c) が真の場合
=0  isalpha(c) が偽でかつ isdigit(c) が偽の場合

【解説】

引数 c が数字または英文字であるか否かの判定結果を返す。

英文字は isalpha() が真となる c の値である。 通常 'A'〜'Z'、'a'〜'z' の ASCII コードがこれに該当する。

数字は isdigit() が真となる c の値である。 通常 '0'〜'9' の ASCII コードが該当する。

【参照】

isalpha()
isdigit()

isalpha
 
英文字の判定

【形式】

int  isalpha(int c)

【パラメータ】

int c   判定する値
        unsigned char で表現できる値を指定する

【リターン値】

≠0  c が英文字の場合
=0  c が英文字でない場合

【解説】

c が英文字であるか否かの判定結果を返す。

英文字とは iscntrl()isdigit()ispunct()isspace() すべてが偽 ( 0 ) となる文字のことである。

通常 'A'〜'Z'、'a'〜'z' の ASCII コードがこれに該当する。

【参照】

iscntrl()
isdigit()
ispunct()
isspace()

iscntrl
 
制御文字の判定

【形式】

int  iscntrl(int c)

【パラメータ】

int c   判定する値
        unsigned char で表現できる値を指定する

【リターン値】

≠0  c が制御文字の場合
=0  c が制御文字でない場合

【解説】

c が制御文字であるか否かの判定結果を返す。

制御文字としては通常 0x000x1f、 及び 0x7f の ASCII コードがこれに該当する。

【参照】

isdigit
 
10進数字の判定

【形式】

int  isdigit(int c)

【パラメータ】

int c   判定する値
        unsigned char で表現できる値を指定する

【リターン値】

≠0  cが10進数字の場合
=0  cが10進数字でない場合

【解説】

c が 10 進数字であるか否かの判定結果を返す。

通常 '0'〜'9' の ASCII コードがこれに該当する。

【参照】

isgraph
 
表示文字の判定

【形式】

int  isgraph(int c)

【パラメータ】

int c   判定する値
        unsigned char で表現できる値を指定する

【リターン値】

≠0  cが空白を除く表示文字の場合
=0  cが空白か、あるいは非表示文字の場合

【解説】

c が表示可能か否かの判定結果を返す。

表示可能文字とは出力装置で 1 字として表示できる文字のことを示す。 この場合、表示可能文字に空白 ' ' は含まれない。

【参照】

isprint()

islower
 
英小文字の判定

【形式】

int  islower(int c)

【パラメータ】

int c   判定する値
        unsigned char で表現できる値を指定する

【リターン値】

≠0  cが英小文字の場合
=0  cが英小文字でない場合

【解説】

c が英小文字であるか否かの変定結果を返す。

通常 'a'〜'z' の ASCII コードがこれに該当する。

【参照】

isprint
 
表示文字の判定

【形式】

int  isprint(int c)

【パラメータ】

int  c     判定する値
            unsigned char で表現できる値を指定する

【リターン値】

≠0  cが表示文字の場合
=0  cが表示文字でない場合

【解説】

cが表示可能文字であるか否かの判定結果を返す。

表示可能文字とは出力装置で 1 字として表示できる文字のことを示す。 表示可能文字には空白 ' ' も含まれる。

【参照】

isgraph()

ispunct
 
区切り文字の判定

【形式】

int  ispunct(int c)

【パラメータ】

int  c     判定する値

【リターン値】

≠0  cが区切り文字の場合
=0  cが区切り文字でない場合

【解説】

c が区切り文字であるか否かの判定結果を返す。

c が以下の場合に当関数は真である。

【参照】

isalnum()
isspace()

isspace
 
空白類文字の判定

【形式】

int  isspace(int c)

【パラメータ】

int  c     判定する値

【リターン値】

≠0  cが標準の空白類文字の場合
=0  cが標準の空白類文字でない場合

【解説】

c が空白類であるか否かの判定結果を返す。

以下の文字を空白類文字とみなす。

    空白    (' ')
    書式送り('\f')
    改行    ('\n')
    復帰    ('\r')
    水平タブ('\t')
    垂直タブ('\v')

【参照】

isupper
 
英大文字の判定

【形式】

int  isupper(int c)

【パラメータ】

int c   判定する値

【リターン値】

≠0  cが英大文字の場合
=0  cが英大文字でない場合

【解説】

c が英大文字であるか否かの判定結果を返す。

通常 'A'〜'Z' の ASCII コードが英大文字とみなす。

isxdigit
 
16進数字の判定

【形式】

int  isxdigit(int c)

【パラメータ】

int c   判定する値

【リターン値】

≠0  cが16進数字の場合
=0  cが16進数字でない場合

【解説】

c が16進数字であるか否かの判定結果を返す。

通常 '0'〜'9'、'a'〜'f'、'A'〜'F' の ASCII コードを16進数とみなす。

【参照】

tolower
 
英小文字への変換

【形式】

int  tolower(int c)

【パラメータ】

int c   変換する ASCII 英大文字

【リターン値】

ASCII 英小文字コード('a'〜'z')
c が ASCII 英大文字以外の場合は、入力値をそのまま返す。

【解説】

大文字 c を対応する小文字に変換する。

大文字とは islower() が真を返す値である。

通常 'A'〜'Z' を c に設定すると 'a'〜'z' が返る。

【参照】

toupper()

toupper
 
英大文字への変換

【形式】

int  toupper(int c)

【パラメータ】

int c   変換する ASCII 英小文字

【リターン値】

ASCII 英大文字コード('A'〜'Z')
c が ASCII 英小文字以外の場合は、入力値をそのまま返す。

【解説】

小文字 c を対応する大文字に変換する。

小文字とは isupper() が真を返す文字コードである。

通常 'a'〜'z' を c に設定すると 'A'〜'Z' が返る。

【参照】

tolower()

isascii
 
ASCII文字の判定

【形式】

int  isascii(int c)

【パラメータ】

int c   判定する値

【リターン値】

≠0  cがASCII文字の場合
=0  cがASCII文字でない場合

【解説】

c が ASCII 文字であるか否かの判定結果を返す。

文字コード 0x000x7f をASCII文字とみなす。

【参照】

toascii
 
ASCII 文字への変換

【形式】

int  toascii(int c)

【パラメータ】

int c   変換する文字

【リターン値】

ASCII 文字コード(0x000x7f)

【解説】

c を ASCII 文字になるような値でマスクした結果を返す。

【参照】

isascii()

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