インストール後の環境整備


最終更新日:2002年6月12日(水)

ディレクトリ構成


開発環境のディレクトリ構成は次のようになります。

[2002/6/12:追加] 以下のディレクトリ構成は、Gterm ver 2.05 バージョンアップ版をダウンロードして、インストールしたあとの状態です。

  spec            説明書等

  include         ヘッダファイル
        *.h           一般ヘッダファイル
        bsys/         システム用ヘッダファイル
        btron/        BTRON 定義ヘッダファイル
        device/       デバイス定義ヘッダファイル
        driver/       ドライバ用ヘッダファイル
        itron/        ITRON 定義ヘッダファイル
        kernel/       周辺核用ヘッダファイル
        net/          ネットワーク用ヘッダファイル
        util/         ユーティリティヘッダファイル
        cpp/          C++ヘッダファイル
        unix/         UNIX エミュレータ用ヘッダファイル

  lib             ライブラリ
        i386e2/*.a     ライブラリ
        i386e2/*.so    共有ライブラリ
        i386e2/*.lnk   リンク方式指定ファイル
        etc/makerules  ライブラリ用 make ルール

  etc             make 用ツールなど
        mymake        Make 起動サンプルスクリプト
        makerules     基本 make ルール
        makedeps      Dependency 作成ツール
        wch2hex       TC コード変換ツール
        mkimport      IMPORT宣言作成ツール
        backup_copy   バックアップコピーツール
        databox       データボックスコンパイラ
        bzcomp        カーネル / ドライバモジュール圧縮ツール
        mkbtf         アーカイブファイル作成ツール
        chkundef      未定義シンボルチェックツール
        gterm         ターミナルエミュレータ

  tool            クロスツール
        gnu     GNU 関連ツール
              bin/                GNU-i386 関連オブジェクト
              i386-unknown-gnu    GNU-i386 関連オブジェクト
              include/            gcc 関連インクルードファイル
              lib/                gcc 関連ライブラリ等
              info/               gcc 情報
              man/                gcc マニュアル
              src/                gcc 関連ソース
        databox/      データボックスコンパイラ・ソース
        gterm/        ターミナルエミュレータ・ソース
        tool/         その他のツール・ソース

  appl            アプリケーション開発用ディレクトリ
        etc/makerules アプリケーション用 make ルール
        dbox/         データボックス共通定義
        sample1/      アプリケーションサンプル(1)
        sample2/      アプリケーションサンプル(2)
        tagsamp1/     見出しパネルサンプル(1)
        tagsamp2/     見出しパネルサンプル(2)

  driver          デバイスドライバ開発用ディレクトリ
        etc/makerules デバイスドライバ用 make ルール
        sample/       デバイスドライバサンプル

  util            実機用ツール開発用ディレクトリ
        etc/makerules 実機用ツール make ルール
        sample/       実機用ツールサンプル

  unix            UNIX エミュレータ関連ディレクトリ
        etc/makerules    UNIX エミュレータ対応アプリ用 make ルール
        lib/i386e2/*.a   UNIX エミュレータ用ライブラリ

  bin/pcat        実行プログラムインストール用

このページのはじめにもどる


環境変数の整備


開発環境をインストールしたあと、 お使いの環境にあわせて、以下の環境変数等を設定します。

BD 開発環境のベースディレクトリ
開発環境をインストールしたディレクトリを設定します。
例えば、開発環境を /usr/local/brightv にインストールしたのであれば、 BD には /usr/local/brightv を設定します。
GNUs GNU 関連ツール
GNU make があるディレクトリを指定します。
GNU make が /usr/local/bin にあれば、(/usr/local/bin ではなくて) /usr/local を設定します。
GNU_BD クロス開発用の GNU 関連ツールのベースディレクトリ
開発環境に含まれる GNU 関連ツールのディレクトリを設定します。
通常は $BD/tool/gnu を指定してください。
GNUi386 i386 用の GNU 関連ツールのディレクトリ
開発環境に含まれる i386 用 GNU 関連ツールのディレクトリを設定します。
通常は $GNU_BD/i386-unknown-gnu を指定してください。
例 : csh の場合
    % setenv BD /usr/local/brightv
    % setenv GNUs /usr/local
    % setenv GNU_BD $BD/tool/gnu
    % setenv GNUi386 $GNU_BD/i386-unknown-gnu

    .cshrc に記述しておくとよいでしょう。

例 : bash の場合
    % export BD=/usr/local/brightv 
    % export GNUs=/usr/local
    % export GNU_BD=$BD/tool/gnu
    % export GNUi386=$GNU_BD/i386-unknown-gnu

    .bashrc などに記述しておくとよいでしょう。

これらの環境変数は make 時に $BD/etc/makerules 中で使われます。 環境変数を正しく設定しているのに make がうまくいかない場合や、 環境変数の意味するところを正確に知りたい場合は、 直接 $BD/etc/makerules を参照してください。

また、これらの環境変数を設定して make を実行するシェルスクリプト mymake が $BD/etc/mymake にあります。
これを修正して使用することもできます。 ただし、以下の点に注意してください。


共有ライブラリに関する注意


プログラムのコンパイルやリンクは、通常、ディレクタリ "pcat" 上で行いますが、 この場合、自動的に共有ライブラリがリンクされます。
共有ライブラリをリンクしないためには以下のいずれかの方法をとってください。

このページのはじめにもどる


システムをデバッグモードに設定する


システムをデバッグモードで起動することにより、IMS や BMS (デバッグモニタ) などのデバッグ用ツールが使えるようになります。

なお、コンソール小物を使用すれば、デバッグモードにしなくても CLI のみは使用できます。 CLI コマンドや CLI 上で動作するツールは、デバッグモードでなくても利用可能です。
CLI や BMS の使用方法は ? コマンドで見ることができます。

デバッグモードを使用するためには、 シリアルポートに外部コンソールを接続する必要があります。 外部コンソールは以下の仕様で接続します。 開発環境の一部として提供している gterm をはじめ、 超漢字、B-right/V や 1B/V3 の通信ソフトなどを利用できます。

シリアルポートCOM1
通信速度 19200 bps
データ長 8 ビット
ストップビット1 ビット
パリティ なし
フロー制御 RTS/CTS フロー制御
文字コード 日本語 EUC
送信行末 CR
受信行末 CRLF

gterm は、$BD/etc/gterm としてインストールされています。
gterm のマニュアル gterm.man は $BD/spec/gterm.man にあります。
ホスト側で gterm を起動するには、 ターゲットのシリアルポート1とホストのシリアルポートを接続して、 ホスト上で gterm を起動します。 デフォルトのシリアルポートは以下のとおりですが、 起動時にシリアルポートを指定することもできます。

Solaris/dev/ttyb
Linux/dev/ttyS1
FreeBSD/dev/cuaa1
  例 : Solaris で ttya ポートを指定して gterm を起動する。
	gterm -l/dev/ttya
	<< Gterm ver 2.05 : 020222 >>
	[/SYS]% 

デバッグモードへ移行する


デバッグモードへは、次の操作で移行します。

■ コンソール小物から設定する方法

通常はこちらの方法で設定します。

  1. システムが起動している状態で[小物箱]から[コンソール]小物を起動をします。
    コンソール小物のウィンドウが現れます。

                                                                    
     << START cli : R4.000 >>
     2002/6/12(水) 12:00:00
     !! コンソールではシステム内部を直接操作できます。
     !! システムに必要なファイルを削除・変更してしまうと、システムが
     !! 破壊されます。十分に注意して操作してください。
     [/SYS/WORK]%
    

     

  2. debugmode 1[ENTER]と入力します([ENTER]は Enter キーを押すことを意味します)。
    コンソールの内容は以下のようになります。

                                                                    
     [/SYS/WORK]% debugmode 1[ENTER]
     + 0: DEBUGMODE 1
     [/SYS/WORK]%
    

     

  3. exit[ENTER]と入力してコンソール小物を終了します。

以上で設定は終了です。次回起動時から、 デバッグモードで起動するようになります。

■ システム起動時に設定する方法

システムの起動そのものに問題が発生するなどして、 コンソール小物からのデバッグモードの設定ができないときや、 一時的にデバッグモードで起動したい場合に有効な方法です。

  1. PC の電源を入れます
    ブートが始まるタイミングで [F8]、または [CapsLock]キーを押します。

  2. 画面に次のように表示されるのを確認します。

                                                                    
      起動選択:[1]または[2]のキーを押してください。
            1.基本動作
            2.通常動作
    

    ※ システムのバージョンによっては、以下の表示となります。

                                                                    
      起動選択:[1]または[2]のキーを押してください。
              1.基本画面(640×480/16色)起動
              2.通常画面(設定したサイズ/色)起動
    

    この表示が現われずにシステムが起動してしまった場合は、 最初からやり直してください。

  3. [9] を 4 回押します。
    新たに次の項目が現われます。

                                                                    
            3.デバッグモード
    

     

  4. [3] を押すと、デバッグモードで起動します。
    gterm や外部コンソールに起動メッセージ等が表示されます。

  5. システムが起動したら、gterm、外部コンソールやコンソール小物から、 次のようにして次回の起動モードを設定できます。
    この方法で起動した場合、デバッグモードでの起動は今回限りになりますので、 次回以降もデバッグモードで起動したい場合は、 コンソールから debugmode 1 として、 次回以降もデバッグモードで起動するように指定してください。

      [/SYS]% debugmode 1 [Enter]
              - 次回からデバッグモードで起動します
    
      [/SYS]% debugmode 0 [Enter]
              - 次回から通常モードで起動します
    

デバッグモードにおけるシステムの終了


デバッグモードでは、 画面上の初期ウインドウを終了してもシステムは終了しません。
外部コンソール上で以下のようにしてシステムを終了させてください。

  1. exit コマンドで CLI を終了させます。
    CLI が終了すると、続いて IMS のプロンプトが現れます。

                                                                    
      [/SYS]% exit
      [IMS]%
    

     

  2. システムを終了させます

    次のいずれかのコマンドを使用して終了させます

                                                                    
      [IMS]% exit         電源オフ
      [IMS]% exit -1      リセット
      [IMS]% exit -3      再起動
    

このページのはじめにもどる


ネットワークの環境の整備


開発環境を動作させる UNIX マシンと システムを動作させる PC とをネットワーク(LAN)で接続します。
ネットワーク接続は必須ではありませんが、 開発環境で make したオブジェクトをターゲットに転送する際に、 ftp で簡単に転送できるというメリットがあります (ftp を使わない場合は、CLI の recv コマンドを使って、 シリアル経由で転送することになります)。

ネットワークの接続の手順自体は本ドキュメントの範疇を越えるため、 具体的な説明は行いません。市販の解説書等をご覧ください。
開発環境で必要となるネットワークの機能としては、 ftp によるファイル転送、 具体的には、CLI からの fget コマンドやファイル変換を用いて、 UNIX マシン上にあるファイルを取得できるような環境が必要です。

このページのはじめにもどる
開発環境のページにもどる
超漢字開発者サイトのページにもどる


Copyright 1999-2002 Personal Media Corporation