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第3章 IMS

3.1 概要

IMSとは、Itron Monitor System という意味で、これを用いることにより ITRON の種々の状態を監視、制御できます。

デバッグ用コンソールには

[IMS]%
とプロンプトが表示され、 以下のコマンドを受け付けて実行します。

3.2 コマンドリファレンス

ここでは各コマンドの具体的な説明を行います。

コマンドの説明では以下の表記を使用しています。

[〜 ] 省略可能を示す
[〜].. 省略可能の繰り返しを示す
{〜|〜} 選択を示す
h ?
 
ヘルプ
h or ?	[command_name]

コマンドのヘルプを表示する。以下の内容が表示される。

[IMS]% h
                      < IMS Commands >
 ref_tsk    ref_sem    ref_flg    ref_mbx    ref_mbf    ref_por
 vref_pis   ref_mpl    ref_mpf    vref_bks   ref_cyc    ref_alm
 ref_sys    ref_cfg    get_ver
 cre_tsk    vcre_tsk   del_tsk    sta_tsk    ter_tsk    chg_pri
 rel_wai    sus_tsk    rsm_tsk    frsm_tsk   wup_tsk    can_wup
 dly_tsk    rot_rdq    vget_reg   vinf_tsk
 sig_sem    vsig_pis   clr_flg    set_flg    snd_msg    rcv_msg
 snd_mbf    rcv_mbf    cal_por    set_tim    get_tim    vset_pow
 sys_cal
 kerext     call       sleep      exit       prompt     radix
 h   ?
 $addr arg... [!pri] [&]   : Execute Process, &:BackGound
 $excfile arg... [!pri] [&]: Execute Process, &:BackGound
 $cmdfile [echo]           : Execute Command File
 #              : Enter BMS, Retern to IMS by 'G' command
 #<BMS command> : Execute BMS command

[IMS]%
prompt
 
プロンプトの設定
prompt	<文字列>

コマンドのプロンプトを<文字列>に設定する。最大 32 文字まで。

radix
 
基数の設定
radix  [{H|D|O}]

数値の基数を H: 16進, D: 10進, O: 8 進 のいずれかに設定する。
基数の初期値は、16進になっている。

sleep
 
スリープ
sleep

IMS をスリープ状態にする。CTRL+G の入力でスリープ状態は解除される。

syscal
 
システムコールの実行
sys_cal  func_no, par1, .. par6

ITRON システムコールを実行する。

ref_tsk
 
タスクの状態参照
ref_tsk

すべてのタスクに関する状態を表示する。

ref_tsk  tskid

tskid で指定したタスクに関する状態を表示する。

ref_sem
 
セマフォ状態参照
ref_sem

すべてのセマフォに関する情報を表示する。

ref_sem  semid

semid で指定したセマフォに関する情報を表示する。

ref_flg
 
イベントフラグの状態参照
ref_flg

すべてのイベントフラグの状態を表示する。

ref_flg  flgid

flgid で指定したイベントフラグの状態を表示する。

ref_mbx
 
メイルボックスの状態参照
ref_mbx

すべてのメイルボックスの状態を表示する。

ref_mbx  mbxid

mbxid で指定したメイルボックスの状態を表示する。

ref_mbf
 
メッセージバッファの状態参照
ref_mbf

すべてのメッセージバッファの状態を表示する。

ref_mbf  mbfid

mbfid で指定したメッセージバッファの状態を表示する。

ref_por
 
ランデブーポートの状態参照
ref_por

すべてのランデブーポートの状態を表示する

ref_por  portid

portid で指定したランデブーポートの状態を表示する

ref_mpl
 
メモリープールの状態参照
ref_mpl

すべてのメモリープールの状態を表示する。

ref_mpl  mplid

mplid で指定したメモリープールの状態を表示する。

ref_mpf
 
固定長メモリープールの状態参照
ref_mpf

すべての固定長メモリープールの状態を表示する

ref_mpf  mpfid

mpfid で指定された固定長メモリープールの状態を表示する

vref_bks
 
ブロックメモリーの状態参照
vref_bks

ブロックメモリーの状態を表示する。
B-ritht/Vでは、ブロックメモリーの機能はサポートしていない。

ref_cyc
 
サイクリックハンドラの状態参照
ref_cyc

すべてのサイクリックハンドラの状態を表示する

ref_cyc  cycno

cycno で指定したサイクリックハンドラの状態を表示する

ref_alm
 
アラームハンドラの状態参照
ref_alm

すべてのアラームハンドラの状態を表示する。

ref_alm  almno

almno で指定したアラームハンドラの状態を表示する。

ref_sys
 
システム状態の表示
ref_sys

システム状態を表示する。

get_ver
 
ITRONバージョンの表示
get_ver

ITRON のバージョンを表示する。

cre_tsk
 
IDを指定したタスクの生成
cre_tsk  tskid, addr [,pri ,stksz ,ring ,exinfo]

tskid で指定されたタスクを生成する。

pri は優先度 1-256 (省略時は 64)
stksz はスタックサイズ(省略時は 8192)
ring はタスクが動くリングレベル 0-3 (省略時は 0)
exinfo 拡張情報
vcre_tsk
 
タスクの生成
vcre_tsk addr [,pri ,stksz ,ring ,exinfo]

タスクを生成する。

pri は優先度 1-256 (省略時は 64)
stksz はスタックサイズ(省略時は 8192)
ring はタスクが動くリングレベル 0-3 (省略時は 0)
exinfo 拡張情報
del_tsk
 
タスクの削除
del_tsk  tskid

tskid で指定したタスクを削除する。

sta_tsk
 
タスクのスタート
sta_tsk  tskid [, start_param]

tskid で指定したタスクを起動する。

ter_tsk
 
タスクの終了
ter_tsk  tskid

tskid で指定したタスクを終了する。

chg_pri
 
優先度の変更
chg_pri  tskid , new_priority

tskid で指定したタスクの優先度を new_priority に変更する。

rel_wai
 
他タスクの待ち状態解除
rel_wai  tskid

tskid で指定したタスクの待ち状態を解除する。

sus_tsk
 
タスクのサスペンド
sus_tsk  tskid

tskid で指定したタスクをサスペンド状態にする。

rsm_tsk
 
タスクのリジューム
rsm_tsk  tskid

tskid で指定したタスクを再開する。

frsm_tsk
 
強制リジューム
frsm_tsk  tskid

tskid で指定した強制待ち状態のタスクを強制再開する。

wup_tsk
 
タスクの起床
wup_tsk  tskid

tskid で指定したタスクを起床する。

can_wup
 
起床要求キャンセル
can_wup  tskid

tskid で指定されたタスクの起床要求をキャンセルする。

rot_rdq
 
タスクのレディーキュー回転
n
rot_rdq  period [, pri]

タスクのレディーキューを回転させる。

period : 回転周期 (msec) 0 : 回転終了
pri : 回転するタスクの優先度 (default: 0)
sig_sem
 
セマフォ資源返却
sig_sem  semid

semid で指定したセマフォに対して、資源を返却する。

clr_flg
 
イベントフラグのクリア
clr_flg  flgid , clr_pattern

fldid で指定したイベントフラグの clr_pattern のビットをクリアする。

set_flg
 
イベントフラグのセット
set_flg  flgid , set_pattern

fldid で指定したイベントフラグの set_pattern のビットをセットする。

snd_msg
 
メイルボックスへの送信
snd_msg  mbxid , msgptr

メッセージを mbxid で指定したメイルボックスに送信する。

msgptr: メッセージのメモリーアドレス
rcv_msg
 
メイルボックスからの受信
rcv_msg  mbxid

指定したメイルボックスからメッセージを受信する。

snd_mbf
 
メッセージバッファへの送信
snd_mbf  mbfid, msgptr, msgsz

mbfid で指定したメッセージバッファにメッセージを送信する。

msgptr: メッセージのメモリーアドレス
msgsz : メッセージサイズ
rcv_mbf
 
メッセージバッファからの受信
rcv_mbf  mbfid

mbfid で指定したメッセージバッファからメッセージを受信する。

cal_por
 
ランデブーポートの呼び出し
cal_por  portid , calptn, msgptr, mszgsz

portid で指定したランデブーポートに対する呼び出しを行う。

calptn: 呼び出しパターン
msgptr: メッセージのメモリーアドレス
msgsz : メッセージサイズ

rpl_por を待つ。CTRL+G により中断する。

set_tim
 
システムクロックの設定
set_tim  time

システムクロックを time に設定する。

get_tim
 
システムクロックの取得

システムクロックの値を表示する。

vinf_tsk
 
タスク情報参照
vinf_tsk

すべてのタスクの情報を表示する。

vinf_tsk  tskid

tskid で指定したタスクの情報を表示する。

call
 
関数呼び出し
call addr, arg1,..arg6

addr で指定したアドレスを関数として呼び出す。

exit
 
終了
exit

システムを停止する。

exit -1

システムを再スタートする。

kerext
 
カーネル拡張モジュールの登録
kerext file par...
file カーネル拡張モジュールのファイル名
par ロードモジュールのパラメータ

file で示すファイルをカーネル拡張モジュールとしてロードし、登録する。 file は /SYS 直下のファイルでなければならない。

$, $$
 
プロセス起動
  $<command> arg... [!pri] [&]
command コマンド(ファイル名/アドレス)
arg コマンドの引数
pri 実行優先度
& バックグラウンド実行指定
$addr arg... [!pri] [&]
$$addr arg... [!pri] [&]
addr 番地から始まるプログラムをプロセスとして起動する。 & を指定した時はそのプロセスはバックグラウンドで走る。
$excfile arg... [!pri] [&]
$$excfile arg... [!pri] [&]
excfile で指定されたファイルをロードしプロセスとして起動する。 & を指定した時はそのプロセスはバックグラウンドで走る。
$cmdfile [echo]
cmdfile を IMS コマンドファイルとして実行する。 echo を指定すると、実行ログが表示される。

$$ で始まるときはシステムプロセスとして生成される。 ユーザプロセスは通常保護レベル 3 で動作するのに対し、 システムプロセスは保護レベル 1 で動作する。 excfile および cmdfile/SYS 直下のファイルでなければならない。

#
 
BMSインタフェース
#

BMS に入る。BMS の 'G' コマンドで IMS に復帰する。

#<BMS command>

指定した BMS コマンドを実行する。


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