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IMSとは、Itron Monitor System という意味で、これを用いることにより
ITRON の種々の状態を監視、制御できます。
デバッグ用コンソールには
[IMS]%
とプロンプトが表示され、
以下のコマンドを受け付けて実行します。
ここでは各コマンドの具体的な説明を行います。
コマンドの説明では以下の表記を使用しています。
[〜 ] | 省略可能を示す |
[〜].. | 省略可能の繰り返しを示す |
{〜|〜} | 選択を示す |
h or ? [command_name]
コマンドのヘルプを表示する。以下の内容が表示される。
[IMS]% h
< IMS Commands >
ref_tsk ref_sem ref_flg ref_mbx ref_mbf ref_por
vref_pis ref_mpl ref_mpf vref_bks ref_cyc ref_alm
ref_sys ref_cfg get_ver
cre_tsk vcre_tsk del_tsk sta_tsk ter_tsk chg_pri
rel_wai sus_tsk rsm_tsk frsm_tsk wup_tsk can_wup
dly_tsk rot_rdq vget_reg vinf_tsk
sig_sem vsig_pis clr_flg set_flg snd_msg rcv_msg
snd_mbf rcv_mbf cal_por set_tim get_tim vset_pow
sys_cal
kerext call sleep exit prompt radix
h ?
$addr arg... [!pri] [&] : Execute Process, &:BackGound
$excfile arg... [!pri] [&]: Execute Process, &:BackGound
$cmdfile [echo] : Execute Command File
# : Enter BMS, Retern to IMS by 'G' command
#<BMS command> : Execute BMS command
[IMS]%
prompt <文字列>
コマンドのプロンプトを<文字列>に設定する。最大 32 文字まで。
radix [{H|D|O}]
数値の基数を H: 16進, D: 10進, O: 8 進 のいずれかに設定する。
基数の初期値は、16進になっている。
sleep
IMS をスリープ状態にする。CTRL+G の入力でスリープ状態は解除される。
sys_cal func_no, par1, .. par6
ITRON システムコールを実行する。
ref_tsk
すべてのタスクに関する状態を表示する。
ref_tsk tskid
tskid で指定したタスクに関する状態を表示する。
ref_sem
すべてのセマフォに関する情報を表示する。
ref_sem semid
semid で指定したセマフォに関する情報を表示する。
ref_flg
すべてのイベントフラグの状態を表示する。
ref_flg flgid
flgid で指定したイベントフラグの状態を表示する。
ref_mbx
すべてのメイルボックスの状態を表示する。
ref_mbx mbxid
mbxid で指定したメイルボックスの状態を表示する。
ref_mbf
すべてのメッセージバッファの状態を表示する。
ref_mbf mbfid
mbfid で指定したメッセージバッファの状態を表示する。
ref_por
すべてのランデブーポートの状態を表示する
ref_por portid
portid で指定したランデブーポートの状態を表示する
ref_mpl
すべてのメモリープールの状態を表示する。
ref_mpl mplid
mplid で指定したメモリープールの状態を表示する。
ref_mpf
すべての固定長メモリープールの状態を表示する
ref_mpf mpfid
mpfid で指定された固定長メモリープールの状態を表示する
vref_bks
ブロックメモリーの状態を表示する。
B-ritht/Vでは、ブロックメモリーの機能はサポートしていない。
ref_cyc
すべてのサイクリックハンドラの状態を表示する
ref_cyc cycno
cycno で指定したサイクリックハンドラの状態を表示する
ref_alm
すべてのアラームハンドラの状態を表示する。
ref_alm almno
almno で指定したアラームハンドラの状態を表示する。
ref_sys
システム状態を表示する。
get_ver
ITRON のバージョンを表示する。
cre_tsk tskid, addr [,pri ,stksz ,ring ,exinfo]
tskid で指定されたタスクを生成する。
pri は優先度 1-256 (省略時は 64)
stksz はスタックサイズ(省略時は 8192)
ring はタスクが動くリングレベル 0-3 (省略時は 0)
exinfo 拡張情報
vcre_tsk addr [,pri ,stksz ,ring ,exinfo]
タスクを生成する。
pri は優先度 1-256 (省略時は 64)
stksz はスタックサイズ(省略時は 8192)
ring はタスクが動くリングレベル 0-3 (省略時は 0)
exinfo 拡張情報
del_tsk tskid
tskid で指定したタスクを削除する。
sta_tsk tskid [, start_param]
tskid で指定したタスクを起動する。
ter_tsk tskid
tskid で指定したタスクを終了する。
chg_pri tskid , new_priority
tskid で指定したタスクの優先度を new_priority に変更する。
rel_wai tskid
tskid で指定したタスクの待ち状態を解除する。
sus_tsk tskid
tskid で指定したタスクをサスペンド状態にする。
rsm_tsk tskid
tskid で指定したタスクを再開する。
frsm_tsk tskid
tskid で指定した強制待ち状態のタスクを強制再開する。
wup_tsk tskid
tskid で指定したタスクを起床する。
can_wup tskid
tskid で指定されたタスクの起床要求をキャンセルする。
n
rot_rdq period [, pri]
タスクのレディーキューを回転させる。
period : 回転周期 (msec) 0 : 回転終了
pri : 回転するタスクの優先度 (default: 0)
sig_sem semid
semid で指定したセマフォに対して、資源を返却する。
clr_flg flgid , clr_pattern
fldid で指定したイベントフラグの clr_pattern のビットをクリアする。
set_flg flgid , set_pattern
fldid で指定したイベントフラグの set_pattern のビットをセットする。
snd_msg mbxid , msgptr
メッセージを mbxid で指定したメイルボックスに送信する。
msgptr: メッセージのメモリーアドレス
rcv_msg mbxid
指定したメイルボックスからメッセージを受信する。
snd_mbf mbfid, msgptr, msgsz
mbfid で指定したメッセージバッファにメッセージを送信する。
msgptr: メッセージのメモリーアドレス
msgsz : メッセージサイズ
rcv_mbf mbfid
mbfid で指定したメッセージバッファからメッセージを受信する。
cal_por portid , calptn, msgptr, mszgsz
portid で指定したランデブーポートに対する呼び出しを行う。
calptn: 呼び出しパターン
msgptr: メッセージのメモリーアドレス
msgsz : メッセージサイズ
rpl_por を待つ。CTRL+G により中断する。
set_tim time
システムクロックを time に設定する。
システムクロックの値を表示する。
vinf_tsk
すべてのタスクの情報を表示する。
vinf_tsk tskid
tskid で指定したタスクの情報を表示する。
call addr, arg1,..arg6
addr で指定したアドレスを関数として呼び出す。
exit
システムを停止する。
exit -1
システムを再スタートする。
kerext file par...
file
カーネル拡張モジュールのファイル名
par
ロードモジュールのパラメータ
file で示すファイルをカーネル拡張モジュールとしてロードし、登録する。
file は /SYS 直下のファイルでなければならない。
$<command> arg... [!pri] [&]
command
コマンド(ファイル名/アドレス)
arg
コマンドの引数
pri
実行優先度
&
バックグラウンド実行指定
$addr arg... [!pri] [&]
$$addr arg... [!pri] [&]
addr 番地から始まるプログラムをプロセスとして起動する。
& を指定した時はそのプロセスはバックグラウンドで走る。
$excfile arg... [!pri] [&]
$$excfile arg... [!pri] [&]
excfile で指定されたファイルをロードしプロセスとして起動する。
& を指定した時はそのプロセスはバックグラウンドで走る。
$cmdfile [echo]
cmdfile を IMS コマンドファイルとして実行する。
echo を指定すると、実行ログが表示される。
$$ で始まるときはシステムプロセスとして生成される。
ユーザプロセスは通常保護レベル 3 で動作するのに対し、
システムプロセスは保護レベル 1 で動作する。
excfile
および cmdfile
は
/SYS
直下のファイルでなければならない。
#
BMS に入る。BMS の 'G' コマンドで IMS に復帰する。
#<BMS command>
指定した BMS コマンドを実行する。
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