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3.5 文章付箋セグメント

3.5.1 概要

文章付箋セグメントは、 文章データ中に埋め込まれる指定付箋であり、 ページ割付け指定、行書式指定、文字指定、 文字修飾指定等の主に文章データを 2 次元的に表現するための情報を保持している。 文章付箋セグメントは文章データ中に埋め込まれるため、位置情報を持たない。 また、名称、表示色等の表示情報も持たないため、 文章付箋セグメント自体の表示方法はアプリケーションに依存する。 標準文章付箋セグメントとして、以下のものが定義されている。

標準文章付箋セグメントセグメントID
文章ページ割付け指定付箋 TS_TPAGE(0xA0)
行書式指定付箋 TS_TRULER(0xA1)
文字指定付箋 TS_TFONT(0xA2)
特殊文字指定付箋 TS_TCHAR(0xA3)
文字割付け指定付箋 TS_TATTR(0xA4)
文字修飾指定付箋 TS_TSTYLE(0xA5)
(予約) ------ (0xA60xAC)
変数参照指定付箋 TS_TVAR (0xAD)
文章メモ指定付箋 TS_TMEMO (0xAE)
文章アプリケーション指定付箋TS_TAPPL (0xAF)

文章付箋セグメントは以下に示す構造を持ち、 サブ ID により詳細な内容が規定される。 なお、サブ ID は、0 〜 127 の範囲の値を TAD 標準として使用し、 128 〜 255 は未定義 ( アプリケーション依存 ) とする。 アプリケーション依存の文章付箋セグメントには、 アプリケーション ID が含まれていないため、 異なるアプリケーション間での互換性は保証されない。

文章付箋の構造
図 13 : 文章付箋の構造

文字割付け付箋、および文字修飾付箋は、 サブ ID により区別される開始付箋と終了付箋に囲まれた範囲に対してのみ有効となる。 他の文章付箋セグメントは、 環境条件の指定であるため有効範囲の指定は特になく、 再度、環境が指定されるまで有効となる。 文章付箋セグメントの機能は非常に広範囲に渡るため、 基本レベルと拡張レベルの文章付箋セグメントにレベル分けされており、 原則的に文章を取り扱うアプリケーションは、 少なくとも基本レベルはサポートしているものとする。

3.5.2 文章ページ割付け指定付箋

文章ページ割付け指定付箋は、 文章データを指定した用紙上に ページ単位でレイアウトを行なうための情報を保持する付箋であり、 図形データ中に埋め込まれた文章データの場合は通常無視される。

用紙指定付箋:基本レベル

文章データをレイアウトする用紙の大きさを指定する。 ここで指定するのは、レイアウト用紙であり、 実際に印刷される時の用紙 ( 印刷用紙 ) ではない。 レイアウト用紙にレイアウトした結果を、実際にどの印刷用紙に、 どのように印刷するか ( 例えば、印刷方向 ( ポートレイト / ランドスケープ ) は、 印刷時の指定による。 例えばレイアウト用紙が A4 の時、印刷時に、印刷用紙を A5 とすると、 A4 用紙にレイアウトされた結果が、 A5 用紙に縮小されて印刷されることになる。

LEN  :  14
SUBID:  0
ATTR :  UB      attr            -- 面付け、綴じ方向指定
DATA :  UH      length          -- 用紙の長さ
        UH      width           -- 用紙の幅
        UH      top             -- オーバーレイ上マージン ( 天 )
        UH      bottom          -- オーバーレイ下マージン ( 地 )
        UH      left            -- オーバーレイ左マージン ( ノド )
        UH      right           -- オーバーレイ右マージン ( 小口 )
attr : xxxx xxDP
P : 面付け指定
0 : 1面付け。
1ページ単位で綴じるようにする。
1 : 2面付け。
2ページ単位で見開きで綴じるようにする。 この場合、偶数ページのオーバーレイ左右マージン、 および本文レイアウト領域の左右マージンは、 自動的に左右逆転した値が適用される。
D : 綴じ方向指定
0 : 左綴じ。
用紙の左側で綴じる。
1 : 右綴じ。
用紙の右側で綴じる。この場合、オーバーレイ左右マージン、 および本文レイアウトの左右マージンは、 自動的に左右逆転した値が適用される。
  • 左マージンはノド ( 綴じしろ ) 指定であるため、綴じ方向、 面付けの指定により左右逆転することになる。

オーバーレイ・マージンは、後述するオーバーレイ領域のマージン指定であり、 実際に文字をレイアウトする本文領域のマージンではない。 用紙の大きさ、オーバーレイ・マージンの指定は、 すべて座標系単位の値で示される。
用紙とオーバーレイ・マージンの関係を以下に示す。

レイアウト用紙とオーバーレイマージン
図 14 : レイアウト用紙とオーバーレイマージン

マージン指定付箋:基本レベル

文章データの本文のレイアウト領域のマージンを指定する。

LEN  :  10
SUBID:  1
ATTR :  UB      −              -- 未使用
DATA :  UH      top             -- 上マージン ( 天 )
        UH      bottom          -- 下マージン ( 地 )
        UH      left            -- 左マージン ( ノド )
        UH      right           -- 右マージン ( 小口 )

ここでのマージンは、本文のレイアウト用のマージンを意味する。 通常、本文のレイアウト領域はオーバーレイ領域より小さい。 用紙指定で 2 面付け指定を行なった場合は、 偶数ページでは、左右マージンは逆転する。 また、右綴じの指定を行なった場合も、左右マージンは逆転する。 マージンの値が、0xFFFF の場合は、 そのマージンは変更せずに現在の値を適用することを意味する。 例えば、左マージンのみを変更する場合は、上マージン、 下マージン、右マージンの値を 0xFFFF とする。 マージンの指定は、すべて座標系単位の値で示される。

レイアウト用紙と本文マージン
図 15 : レイアウト用紙と本文マージン

コラム指定付箋:拡張レベル

ページのレイアウトを複数コラム ( 段組み ) で行なうための指定であり、 コラム数と、コラムマージン ( コラム間余白 ) を指定する。 各コラムは均等幅となる。

LEN  :  4, 6
SUBID:  2
ATTR :  UB      column          -- コラム数、およびコラム長均等化指定
DATA :  UH  colsp               -- コラムマージン
      [ UH  colline             -- コラム間罫線 ]
column : Kxxx CCCC
CCCC :
コラム数 ( 0 〜 15 ) コラム数が 0, 1 の場合は、コラム数 1 となり、 段組は行なわれない。
K :
コラム長均等化指定 0 : コラム長の均等化を行なわない。 1 : コラム長の均等化を行なう。
colsp:
コラムマージンを座標系単位で指定する。 column = 0, 1 の時は意味を持たない。
colline :
コラム間に引かれる縦の罫線属性の指定 ( 省略時は罫線なし )。 下位バイトで指定した以下の線属性の縦の罫線を コラム間の中心位置に引く ( 上位バイトは予約 )。
      DIWW KKKK
D :
線の本数
0 : 一本
1 : 二本
I :
線の濃さ
0 : 100 %
1 : 50 %
W :
線の太さ
0 :なし ( 線は引かれない )
1 : 細線
2 : 中線
3 : 太線
K :
線の種類
0 : 実線
1 : 破線
2 : 点線
3 : 一点鎖線
4 : 二点鎖線
5 : 長破線
6 : 波線
7 : ( 予約 )
8〜 : 未定義 ( アプリケーション依存 )

段組みの場合は、改コラムコード ( 0x0B ) により、 次 ( 右 ) のコラムに移行する。 例えば、column = 3 の時は、以下に示す段組みとなる。

段組みレイアウト
図 16 : 段組みレイアウト

コラム長の均等化を指定した場合、 次のコラム指定付箋の直前までの文章データを各コラムに均等に振り分け、 文章データが格納された各コラムの長さが揃うようにレイアウトされる。 直後に段抜き見出しを配置するような場合や文書の最終データの場合に使用される。 コラム長の均等化を指定しない場合は、改コラムコードが現れない限り、 各コラムに順に文章データをページの最下部まで詰めてレイアウトされる。

コラム長の均等化指定
図 17 : コラム長の均等化指定

ページ途中でコラム数を変更する場合、前のコラムが均等化指定されていれば、 指定位置から新しいコラム数に変化するが、 固定長指定の場合は次ページ以降しか変化しない場合がある。 例えば、2 段組から段組なしへ変更した場合を以下に示す。

コラム数を変更した場合(1)
図 18 : コラム数を変更した場合 ( 1 )
コラム数を変更した場合(2)
図 19 : コラム数を変更した場合 ( 2 )

3.4.2.4 用紙オーバーレイ定義付箋:拡張レベル

用紙上に重ねてレイアウトするオーバーレイ情報を定義する。 オーバーレイは最大 16 枚まで重ねることができる。 この機能は、通常は柱、ノンブル等の指定に使用されるが、 用紙の右マージン ( 小口 ) や左マージン ( ノド ) 部分、 さらに本文のレイアウト領域にも重なった指定も可能である。 この指定付箋はオーバーレイの定義を行なうだけで、 実際にそのオーバーレイが有効となるのは、 用紙オーバーレイ指定付箋でオーバーレイ番号が指定された場合である。

LEN  :  〜
SUBID:  3
ATTR :  UB      attr            -- オーバーレイ番号 / ページ適用属性
DATA :  UB      data[]          -- オーバーレイする文章データ
attr:
オーバーレイ番号/ページ適用属性
     xxPP NNNN
N :
オーバーレイ番号 ( 0 〜 15 )
P :
ページ適用属性
0 : 奇数 / 偶数ページともに適用。
1 : 奇数ページにのみ適用。
2 : 偶数ページにのみ適用。
オーバーレイ番号は、オーバーレイの位置を示す番号であり、 異なる番号のオーバーレイは重ねて使用することができる。 適用ページに対して 同一のオーバーレイ番号を持つものが既に定義されていた場合は、 以前の定義は無効となる。 オーバーレイ番号 0 のオーバーレイが一番下に重ねられ、 オーバーレイ番号 15 のオーバーレイが一番上に重ねられる。
data :
用紙指定で指定された用紙上のオーバーレイマージンで指定された オーバーレイ領域内にレイアウトする文章データであり、 通常の文章データから、先頭の文章開始セグメント、 最後の文章終了セグメントを取り除いたものである。 この文章データの中には図形データを含むことができる。 この文章データをレイアウトした結果が用紙にオーバーレイされる。
例として、単純な柱、ノンブルは、以下の文章データにより定義される。
【文字サイズ指定等の環境設定】
AAA【充填文字】BBB【充填文字】CCC<改段落>
【充填行】
DDD【充填文字】【変数参照:ページ番号】【充填文字】FFF<改段落>
用紙オーバーレイ
図 20 : 用紙オーバーレイ

用紙オーバーレイ指定付箋 : 拡張レベル

指定した用紙オーバーレイを、 この付箋がレイアウトされたページから実際に適用することを指定する。 用紙オーバーレイ指定付箋が現れるとそれまでの指定は無効となり、 その付箋で指定されるオーバーレイ番号群によって新たな設定がされる。 オーバーレイ指定をすべて取り消すためには、 オーバーレイ番号を 1 つも指定しない用紙オーバーレイ指定付箋の指定が必要となる。 用紙オーバーレイ処理がされた結果がレイアウト用紙となり、 その上に本文がレイアウトされる。

LEN  :  4
SUBID:  4
ATTR :  UB        ---    -- 未使用
DATA :  UH      overlay  -- オーバーレイ指定
overlay :
適用するオーバーレイ番号の指定。 "1" のビットに対応するオーバーレイ番号を持つオーバーレイを適用する。 "1" のビットが複数個ある場合は、 複数のオーバーレイをオーバーレイ番号 0 から 順番に重ね書きすることを意味する。 指定するオーバーレイ番号は、既に定義済みでなくてはいけない。 未定義のオーバーレイ番号を指定した場合、その指定は無視される。
用紙オーバーレイ指定付箋
図 21 : 用紙オーバーレイ指定付箋

枠あけ指定付箋 : 拡張レベル

指定した大きさの枠をあけてレイアウトすることを指定する。 この付箋の直後に図形データが存在する場合は、 その図形データを枠内の中央に配置する。

LEN  :  10
SUBID:  5
ATTR :  UB      attr            -- 枠あけ属性
DATA :  RECT    area            -- 枠あけ領域
attr:
   APKx HHVV
A :
0 ページ内位置属性指定
1 ページ内絶対位置指定
P :
0 付箋の位置以降に割り付ける。
1 付箋の位置と同一ページ割り付ける。
K :
0 通常枠(枠の左右に本文データがレイアウトされる)
1 行扱い枠(枠の左右に本文データはレイアウトされない)
H :
縦方向の枠位置 ( A = 0 の時のみ有効 )
0 : 任意
1 : 上端
2 : 中央
3 : 下端
V :
横方向の枠位置 ( A = 0 の時のみ有効 )
0 : 任意
1 : 左端
2 : 中央
3 : 右端
H = 0, V = 0 の場合の枠の配置アルゴリズムはインプメントに依存する。
area :
枠あけ領域の指定。座標系の単位で指定。
ページ内位置属性指定の場合 :
area の大きさのみ有効。位置は無視され、 attr で指定した条件に適合する位置に配置される。 段組みの場合は、各段の中での位置を意味する。
ページ内絶対位置指定の場合 :
area の大きさ、位置ともに有効であり、 位置はページの左上を ( 0 , 0 ) とした位置に配置される。 段組みの場合でも、段に無関係の絶対位置となる。

attr が P = 0 の時は、枠あけ指定付箋が現れた位置以降で、 H, V あるいは area で指定された条件を満たす位置にレイアウトする。 従って、付箋が現れたページに配置されないことがありうる。 一方、P = 1 の時は、付箋の現れたページ内の条件を満たす位置に配置するため、 文章データの再レイアウト処理が発生する。

例: 縦方向上端、横方向左端指定の場合
枠あけ指定
図 22 : 枠あけ指定

ページ番号指定付箋 : 拡張レベル

現在のページ番号、およびページ番号の増加ステップ数を指定する。 この付箋が存在するページから有効となる。

LEN  :  4
SUBID:  6
ATTR :  B   step                -- ページの増加ステップ
DATA:   UH  num                 -- ページ開始番号
【N1,N2】:
ページ番号指定付箋
N1 : ページ開始ページ
N2 : ページの増加ステップ
-N3- : ページ番号
ページ番号指定
図 23 : ページ番号指定

条件改ページ指定付箋 : 拡張レベル

指定した条件に適合した場合に、改ページを行なう。

LEN  :  2,4
SUBID:  7
ATTR :  UB      cond            -- 条件
DATA :[ SCALE   remain          -- 残り領域指定 ]
cond :
0 : 偶数ページの時、改ページする。(奇数ページから始める)
1 : 奇数ページの時、改ページする。(偶数ページから始める)
2 : ページの残り領域が、remain で指定した値以下の時、改ページする。
3〜 : 予約
remain :
ページの残り領域を指定する SCALE タイプのデータ。 現在位置から、用紙の一番下 ( 下マージンを含む ) までの大きさが指定した値以下の場合に改ページする。 比率指定の場合の基準値は、用紙の縦サイズ ( 上下マージンを含む ) となる。 cond ≠ 2 の場合は、意味を持たず、通常は省略される。
例 1 :

見だしの直後で改ページされることを防ぐためには、 下記のパラメータを持つ付箋を見だしデータの直前に設定する ( この機能は、 タブ書式指定付箋の属性 P = 1 の場合に相当する )。

cond ( 条件 ) = 2
remain = ( 見だし行の高さ ) + ( 行間 ) + ( 本文行の高さ )
例 2 :
1 つの段落を 1 ページ内に収めるためには、 下記のパラメータを持つ付箋をその段落データの直前に設定する ( この機能は、タブ書式指定付箋の属性 P = 2 の場合に相当する)。
cond ( 条件 ) = 2
remain = ( 段落全体の高さ ( 行間も含む ) )

充填行指定付箋 : 拡張レベル

用紙の空き領域を空行で充填する。 1 つのページに複数の充填行がある場合は、 それぞれの充填行の高さは均等となる。

LEN  :  2
SUBID:  8
ATTR :  UB      −              -- 未使用
条件改ページ指定
図 24 : 条件改ページ指定

3.5.3 行書式指定付箋

行書式指定付箋は、 行書式に関連する指定を行なう付箋であり、 必ず行または段落の区切りに存在する。 行または段落の区切りでない場合は、 この付箋の直前に行または段落の区切りがあるものと見なされる。 段落の概念を持たない従来のデータを交換する場合、 改行機能を現わすためには改段落コード ( 0x0A ) を用い、 改行コード ( 0x0D ) はフィールド内の改行でのみ使用する。 行ピッチの値としては、 改段落コードの場合には段落ピッチが、 改行コードの場合には改行ピッチが用いられる。 行書式としては、大きく以下の 2 種類があり、 いずれも段落単位で指定することになる。

フィールド書式:
タブ書式 :
フィールド書式の例
図 25 : フィールド書式の例

行間隔指定付箋 : 基本レベル

行の間隔を指定する。行の区切りとなる。

LEN  :  4
SUBID:  0
ATTR :  UB      attr            -- 属性指定
DATA :  SCALE   pitch           -- 間隔指定
attr :
   Dxxx xxxG
D :
方向 ( 0 : +方向 1 : -方向 )
G :
行アキ指定 ( 0 : 行送り指定 1 : 行アキ指定 )

横書きの場合は、以下のようになる。

行間隔指定
図 26 : 行間隔指定

行高さの定義は、 行中の最大の文字の大きさ ( 拡大縮小された結果を含む ) である。 但し、行中の文字に付加された添字 あるいはルビ文字列は行の高さには含まれない。 埋め込み図形および仮身の高さは行高さに含まれるが、 行間隔の基準値には含まれない。

pitch :

行間隔を指定する SCALE タイプのデータ。 比率指定の場合の基準値は行高さ ( ただし、埋め込み図形、仮身の高さを除く ) となる。

行揃え指定付箋 : 基本レベル

行揃えの方法を指定する。行の区切りとなる。

LEN  :  2
SUBID:  1
ATTR :  UB      align           -- 行揃えの方法
align:  行揃えの方法
        0: 左揃え
        1: 中央揃え
        2: 右揃え
        3: 両端揃え
        4: 均等揃え

両端揃えと均等揃えの違いは、 揃える対象の文字列が割り付け対象領域の両端に接するか、 両端に均等間隔の空白が埋められるかの違いである。

行揃え指定
図 27 : 行揃え指定

タブ書式指定付箋 : 基本レベル

タブ書式を指定する。段落の区切りとなる。

LEN  :  〜
SUBID:  2
ATTR :  UB      attr            -- 属性
DATA :  SCALE   height          -- 書式高さ指定
        SCALE   pargap          -- 段落間隔指定
        H       left            -- 行頭マージン
        H       right           -- 行末マージン
        H       indent          -- インデントマージン
        H       ntabs           -- タブストップ設定数
        UH      tabs[]          -- タブストップ位置 ( ntabs 個 )
attr :
    Rxxx xxPP
R :
基準位置指定
0 : 絶対位置 ( 用紙の左マージン、右マージンを基準 )
1 : 相対位置 ( 直前の行頭マージン、行末マージンを基準 )
P :
段落のページ拘束の指定
0 : ページ拘束なし
1 : 見出し同一ページ
( 直後の段落と、続く段落の少なくとも1行を同一ページにレイアウ トする ) 2 : 全段落同一ページ
( 直後の段落から、次の書式指定のまでの間の全ての段落を同一ページにレイアウトする ) 3 : 予約
height :
書式高さを指定する SCALE タイプのデータ。
pargap :
段落間隔を指定する SCALE タイプのデータ。 比率指定の場合の基準値は行高さ ( ただし、埋め込み図形、仮身の高さを除く ) となる。 height は書式指定付箋自身の高さ、即ち、 前の段落と続く段落との間隔を示し、 pargap は以降の段落の後の間隔を意味する。
例 :
<段落 1>
<書式指定付箋 A>
<段落 2>
<段落 3>
<段落 4>
<書式指定付箋 B>
<段落 5>
段落 1 と 2 の間隔 : A の height
段落 2 と 3 の間隔 : A の pargap
段落 3 と 4 の間隔 : A の pargap
段落 4 と 5 の間隔 : B の height
left :
行頭マージン ( 基準位置からの座標系単位での位置 )。 右方向が正方向となり、基準位置が相対位置の場合は <0 も可。
right :
行末マージン ( 基準位置からの座標系単位での位置 )。 左方向が正方向となり、基準位置が相対位置の場合は <0 も可。
indent :
インデント・マージン ( 座標系単位 )。 先頭行にのみ適用される行頭マージンであり、 行頭位置からの相対位置で指定される。 右方向が正方向となり、<0も可。
ntabs :
タブストップの設定数。 0の場合はタブストップの設定無しを意味し、 <0の場合は変更無しを意味する。
tabs :
タブストップ位置を示す ntabs 個の要素の配列 ( 行頭位置からの座標系単位での位置 )。 小数点揃えタブの場合は、タブストップ位置の負数を指定する。 右方向が正方向となり、<0 は不可。 行頭位置は、 常にタブストップ位置として定義されているものと見なされる。 タブストップ位置の数 ( ntabs ) が 0 の場合でも行頭位置はタブストップ位置となる。 従って、最後のタブストップ位置以降のタブコードは次の行の行頭への移動となる。 基準位置が絶対位置の場合、以下のようになる。
タブ書式
図 28 : タブ書式

フィールド書式指定付箋 : 拡張レベル

フィールド書式を指定する。段落の区切りとなる。 フィールド書式中では、 データ列中のタブコードにより次の右側のフィールドへ移動し、 改段落コードにより新たな下の段落へ移動する。 フィールド書式は主に、タブコードで区切られたデータ1つのフィールドとした表 形式のデータ表現に使用される。

LEN  :  〜
SUBID:  3
ATTR :  UB      attr    -- 属性
DATA:   SCALE   height  -- 書式指定付箋自身の高さ
        SCALE   pargap  -- 段落間隔
        UH      line    -- フィールド段落線属性
        H       nfld    -- フィールド設定数
        -- UH   fld     -- フィールド開始位置
        │ UH   left    -- フィールド内左マージン
        │ UH   right   -- フィールド内右マージン
        │ UH   margin  -- 小数点位置/インデントマージン
        -- UH   f_attr  -- フィールド属性
        :        :
        上記のデータをフィールド設定数分繰り返す。
attr:
    Rxxx xxPP
R :
基準位置指定
0 : 絶対位置 ( 用紙の左マージン、右マージンを基準 )
1 : 相対位置 ( 直前の行頭マージン、行末マージンを基準 )
P:
段落のページ拘束の指定
0 : ページ拘束なし
1 : 見出し同一ページ
( 直後の段落と、続く段落の少なくとも1行を同一ページにレイアウトする )
2 : 全段落同一ページ
( 直後の段落から、次の書式指定のまでの間の全ての段落を同一ページにレイアウトする )
3 : 予約
height :
書式指定付箋自身の高さを指定する SCALE タイプのデータ。
pargap :
段落間の間隔を指定する SCALE タイプのデータ。
比率指定の場合の基準値は行高さ ( ただし、埋め込み図形、仮身の高さを除く ) となる。 height は書式指定付箋自身の高さ、即ち、前の段落と続く段落との 間隔を示し、pargap は以降の段落の後の間隔を意味する。
line :
フィールドの段落の境界に引かれる横線の属性。 上位バイトは、 フィールド書式の先頭に引かれる横線 ( 上線 ) の属性を示す。 右端の最後のフィールドに対して上線は常に引かれない。 下位バイトは、フィールド内の各段落の直後に引かれる横線 ( 下線 ) の属性を示す。 実際に線が引かれるか否かは、各フィールド内で指定される。
各バイトは、以下に示す形式を持つ。
    DIWW KKKK
D :
線の本数
0 : 一本
1 : 二本
I :
線の濃さ
0 : 100 %
1 : 50 %
W :
線の太さ
0 : なし ( 線は引かれない )
1 : 細線
2 : 中線
3 : 太線
K :
線の種類
0 : 実線
1 : 破線
2 : 点線
3 : 一点鎖線
4 : 二点鎖線
5 : 長破線
6 : 波線
7 : ( 予約 )
8〜 : 未定義 ( アプリケーション依存 )
nfld :
フィールド設定数。 最後のフィールドは右端の指定がないため、 最後のフィールドの右端を定義する必要がある場合は、 フィールド定義数は必要なフィールド数 + 1 となる。 nfld<0 とした場合はフィールドの設定を変更しないことを意味するので、 各フィールドの設定を変化させることなく、 書式高さ ( height )、 段落間隔 ( pargap ) や段落線属性 ( line ) のみ変更をすることが可能である。
fld :
フィールド開始左側の位置(基準位置からの座標系単位での位置)。 フィールドの縦線はこの位置に引かれる。
left :
フィールド内の左マージン ( フィールド開始位置からの座標系単位での位置 ) 。
right :
フィールド内の右マージン ( 次のフィールド開始位置からの座標系単位での位置 ) 。
margin :
小数点位置 / インデントマージン ( フィールド開始位置からの座標系単位での位置 ) 。 揃え指定により意味が異なる。
左揃え          -- インデントマージン
中央揃え        -- 無視される
右揃え          -- 無視される
両端揃え        -- インデントマージン
均等揃え        -- 無視される
小数点揃え      -- 小数点揃え位置
f_attr :
フィールドの属性。
上位バイトは、フィールドの区切り線の属性を示し、下位バイトは、 フィールド内の揃え指定を示す。
    HxWW  KKKK xxxx xAAA
H :
フィールドの段落の下線の有無。
0 : 下線なし
1 : 下線あり
H = 1 の時に、line の下位バイトで定義された属性の下線が引かれる。
W,K :
フィールドの左側に引かれる縦線の属性。
W,Kの内容は、 line の場合と同じであり、 W ≠ 0の場合に指定した属性の縦線が引かれる。
A :
フィールド内の揃え指定
0 : 左揃え
1 : 中央揃え
2 : 右揃え
3 : 両端揃え
4 : 均等揃え
5 : 小数点揃え
フィールド書式(一般)
図 29 : フィールド書式(一般)
フィールド書式の例-1
図 30 : フィールド書式の例-1
フィールド書式の例-2
図 31 : フィールド書式の例-2
フィールド書式の例-3
図 32 : フィールド書式の例-3
【フィールド書式】の内容
フィールド書式の例-4
図 33 : フィールド書式の例-4
【フィールド書式 1】の内容 :
【フィールド書式2】の内容 :
【フィールド書式】の内容 :
データ列 の内容:
【フィールド書式 1 】
<TAB>食費<TAB>娯楽費<TAB>雑費<TAB><改段落>
【フィールド書式 2 】
1月<TAB>42,000<TAB>10,000<TAB>6,200<TAB><改段落>
2月<TAB>51,000<TAB>6,500<TAB>12,000<TAB><改段落>
3月<TAB>44,000<TAB>40,000<TAB>10,000<TAB><改段落>
【フィールド書式 3 】
<改段落>

文字方向指定付箋 : 拡張レベル

レイアウトする文字の方向を指定する。段落の区切りとなる。

LEN  :  2
SUBID:  4
ATTR :  UB      txdir           -- 文字列方向
txdir: で文字列の方向、即ち、縦書きか横書きかを示す。
        0 : 横書き (左→右)
        1 : 横書き (右→左)
        2 : 縦書き

ページ途中で文字方向を変更した場合の解釈は以下のようになる。

文字方向指定付箋
図 34 : 文字方向指定付箋

行頭移動指定付箋 : 拡張レベル

行頭位置を一時的に移動する。

LEN  :  2
SUBID:  5
ATTR :  UB      ---              -- 未使用

直後の文字の文字開始位置に行頭位置を一時的に移動する。 改行、改段落、改コラムコード、もしくは、改行、改段落を伴う付箋が出現するまで有効となる。
1行内に複数個の「行頭移動指定付箋」が存在した場合は、最初のみ有効となり、 2番目以降は無視される。

3.5.4 文字指定付箋

文字指定付箋は、文字の表現形態の指定を行なう文章付箋セグメントである。

フォント指定付箋 : 基本レベル

現在処理中の国語の文字セットでのフォントを、 フォントクラスおよびフォント ( ファミリー ) 名により指定する。

LEN  :  4〜
SUBID:  0
ATTR :  UB      −              -- 未使用
DATA :  UH      class           -- フォントクラス
       [UB      name[]]         -- フォント ( ファミリー ) 名
class:
フォントクラスは文字体の特徴を表す以下に示すデータである。
フォントクラス
図 35 : フォントクラス
name :
フォント ( ファミリー ) 名の指定 ( 省略可能 )。
この指定がある場合はフォントクラスの指定は基本的に無視されるが、 指定したフォント ( ファミリー ) 名のフォントが存在しない場合は、 フォントクラスで指定したフォントに最も類似度が高い ( フォントクラスの最上位ビットから順に一致しているもの ) フォントが適用される。

フォント属性指定付箋 : 基本レベル

フォントのバリエーションとしてのフォント属性を指定する。

LEN  :  4
SUBID:  1
ATTR :  UB      −              -- 未使用
DATA :  UH  attr                -- フォント属性
attr :
以下のフォント属性の指定。
複数のビットをセットすることにより、同時に複数の属性設定が可能となる。
フォント属性
図 36 : フォント属性

文字サイズ指定付箋:基本レベル

文字サイズの指定を行なう。

LEN  :  4
SUBID:  2
ATTR :  UB      −              -- 未使用
DATA :  CHSIZE  size            -- 文字サイズ
size :
文字サイズの指定( CHSIZE タイプのデータ)。

この付箋は基準となる文字サイズを指定し、文字拡大/縮小指定付箋、 または別の文字サイズ指定付箋が現れない限り、このサイズで表示される。 文字サイズ指定付箋が存在しない間は、 アプリケーション依存のデフォルトの文字サイズが基準となる。

文字拡大 / 縮小指定付箋 : 基本レベル

文字サイズの拡大 / 縮小の指定を行なう。

LEN  :  6
SUBID:  3
ATTR :  UB      −       -- 未使用
DATA :  RATIO   h_ratio  -- 文字高さ ( サイズ ) の拡大率
        RATIO   w_ratio  -- 文字幅の拡大率
h_ratio :
文字高さ ( サイズ ) の拡大率を示す、RATIO タイプのデータ。
w_ratio :
文字幅の拡大率を示す、RATIO タイプのデータ。

拡大 / 縮小の基準となる文字サイズは、 直前の文字サイズ指定付箋で指定された値であり、 拡大/縮小された値ではない ( アプリケーション依存のデフォルトの文字サイズが基準となる ) 。 例えば、通常幅 ==> 1 / 2幅 ==> 通常幅 の表現をこの付箋で行なう場合には、 文字幅を 1 / 2 倍にする付箋の後の文字列が 1 / 2 幅となり、 次に文字幅を 1 倍 ( 2 倍ではない ) にする付箋の後の文字列が通常幅となる。

文字間隔指定付箋:基本レベル

文字の間隔を指定する。

LEN  :  4
SUBID:  4
ATTR :  UB      attr            -- 属性指定
DATA :  SCALE   pitch           -- 間隔指定
attr:
    DSxx xxxG
D :
方向 ( 0 : + 方向 1 : - 方向)
S:
詰め / kerning 指定 ( 0 : 無し 1 : 有り )
G:
文字アキ指定 ( 0 : 文字送り指定 1 : 文字アキ指定 )
詰め / Kerning 指定の場合は、 各文字に定義された最大詰め幅まで文字間隔は詰められ、 他の指定は意味を持たない ( 無視される )。 横書き ( 左 → 右 ) の場合は、以下のようになる。
文字間隔指定
図 37 : 文字間隔指定
pitch:
文字間隔を指定する SCALE タイプのデータ。 比率指定の場合の基準値は直前の文字の文字幅 ( 拡大 / 縮小された結果を含む ) となる。
詰め / Kerning 指定の場合は、この値は意味を持たない ( 無視される )。

文字回転指定付箋 : 拡張レベル

文字の回転を指定する。

LEN  :  4
SUBID:  5
ATTR :  UB      abs             -- 絶対 / 相対指定
DATA :  UH      angle           -- 文字の横軸の反時計回りの回転角度
                                   ( 360 度の剰余が有効 )
abs :
    xxxx xxxA
A
0 : 絶対角度指定。
現在の文字の回転角度に無関係に絶対角度を指定する (水平軸が 0 度となる)。
1 : 相対角度指定。
現在の文字の回転角度に対しての相対的な角度を指定する (現在の文字の横軸が 0 度となる)。

文字カラー指定付箋 : 拡張レベル

文字のカラーを指定する。

LEN  :  6
SUBID:  6
ATTR :  UB      −      -- 未使用
DATA :  COLOR   color   -- 文字カラーの指定

文字基準位置移動付箋 : 拡張レベル

文字の基準位置 ( ベースライン ) の移動量を指定する。

LEN  :  4
SUBID:  7
ATTR :  UB      attr            -- 属性指定
DATA :  SCALE   base            -- 基準位置移動量
attr:
    Dxxx xxxx
D :
方向 ( 0 : + 方向 1 : - 方向 )
base:
文字の基準位置の移動量を指定する SCALE タイプのデータ。 比率指定の場合の基準値は、直前の文字の縦方向の大きさ (拡大縮小された結果を含む)となる。 ベースラインの移動起点は現在のベース位置となる。

3.5.5 特殊文字指定付箋

特殊文字指定付箋は、 1 つの特殊な文字として取り扱われる文章付箋セグメントである。

固定幅空白指定付箋 : 拡張レベル

任意の固定幅の空白を示す。 これは、1 つの文字として取り扱われるため、 行をまたがることはない。 つまり、指定された空白幅に満たないうちに行末に至った場合、 次の行の先頭から固定幅空白全体 ( 残りの空白ではない ) が配置される。

LEN  :  4
SUBID:  0
ATTR :  UB      −              -- 未使用
DATA :  SCALE   width           -- 空白の幅
width:
空白の幅を指定する SCALE タイプのデータ。 比率指定の場合の基準値は、文字サイズとなる。

充填文字指定付箋:拡張レベル

1 行または 1 つのフィールドの空き領域を指定した文字列で充填する。 1 行または 1 つのフィールド中に複数の充填文字がある場合は、 それぞれの充填文字の幅は均等となる。

LEN  :  〜
SUBID:  1
ATTR :  UB      −              -- 未使用
DATA:   UB      str[]           -- 充填文字列
str:
充填する文字列を示し、この文字列を周期的に繰り返し、 充填すべき幅に達するまで 1 文字単位で充填する。 最後に余った部分 ( 1 文字未満 ) は空白とする。 通常は、充填文字列として 1 つの空白を使用することが多い。

充填される領域は行またはフィールドの左端から右端の間であり、 以下に示す用途に使用される。

(1) 【充填文字:空白】AA<改行>
(2) 【充填文字:空白】AA【充填文字:空白】<改行>
(3)  AA【充填文字:空白】BB<改行>
(4)  AA【充填文字:空白】BB【充填文字:空白】CC<改行>
(5) 【充填文字:空白】A【充填文字:空白】B【充填文字:空白】<改行>
(6)  ○○【充填文字:abc】<改行>
(7)  第1項【充填文字:--】1<改行><TAB>1.1【充填文字:--】2<改行>
充填文字指定
図 38 : 充填文字指定

文字罫線指定付箋 : 拡張レベル

罫線列を示す。この付箋は主に既存のデータの変換を目的としている。

LEN  :  4 + 罫線列データ数
SUBID:  2
ATTR :  UB      type            -- 罫線のタイプ
DATA :  UH  count               -- 罫線列の繰り返し数
        UH   lines[]            -- 罫線指定データ列( LEN で指定されたデータ数 )
type:
    UUUU KKKK
K :
罫線の種類
0 : 通常罫線 ( 1 文字分の大きさを持つ罫線 )
1 : 文字間 / 行間罫線
2 : 罫線文字 ( 罫線の扱いをうける文字 )
3〜 : ( 予約 )
U :
未定義 ( アプリケーション依存属性)
count :
罫線指定のデータ列で指定された罫線列全体の繰り返し回数。 0 の場合は 1 と見なされる。
文字罫線指定
図 39 : 文字罫線指定
lines :
罫線を指定するデータ列で、罫線の種類により意味が異なる。
通常罫線の場合 ( type 0 ) :
UH  vline       : 上下の罫線属性 ( 上位バイトが上 )
UH  hline       : 左右の罫線属性 ( 上位バイトが左 )
          :  :            ( 上記の 2 ワードのデータ列 )
文字間 / 行間罫線の場合 ( type 1 ) :
UH  tlline      : 上及び左の罫線属性 ( 上位バイトが上 )
         :  :            ( 上記の 1 ワードのデータ列 )
罫線文字の場合 ( type 2 ):
UH  code                : 罫線文字の TRON コード
          :  :            ( 上記の1ワードのデータ列 )
vqline, hline :
( 通常罫線 )
現在の文字サイズの文字枠を下図のように 4 つの部分に分け、 それぞれに部分に対応する罫線の属性を示したもの。
上  -- vline の上位バイト
下  -- vline の下位バイト
左  -- hline の上位バイト
右  -- hline の下位バイト
文字罫線指定(通常罫線)
図 40 : 文字罫線指定 ( 通常罫線 )
tlline:
( 文字間 / 行間罫線 )
文字間 / 行間罫線を各文字の上部に接する罫線素片 ( 行間罫線のパターン ) を上位バイトで、 左部に接する罫線素片 ( 文字間罫線のパターン ) を下位バイトで表現する。 改行コードにはさまれた文字間 / 行間罫線群によって、 直前と直後の行間の行間罫線と直後の行の文字間罫線を表現する。
文字罫線指定(行間/文間罫線)
図 41 : 文字罫線指定 ( 行間 / 文間罫線 )
code :

( 文字罫線 )
罫線として取り扱う文字の TRON 仕様コードを指定する。 vline, hline, tlline で指定される罫線の属性は、以下のデータであり、 線幅 = 0 の場合は、その部分の罫線がないことを意味する。

    DIWW KKKK
D :
線の本数
0 : 一本
1 : 二本
I :
線の濃さ
0 : 100 %
1 : 50 %
W : 線の太さ
0 : なし ( 線は引かれない )
1 : 細線
2 : 中線
3 : 太線
K : 線の種類
0 : 実線
1 : 破線
2 : 点線
3 : 一点鎖線
4 : 二点鎖線
5 : 長破線
6 : 波線
7 : ( 予約 )
8〜: 未定義 ( アプリケーション依存 )

3.5.6 文字割付け指定付箋

文字割付け指定付箋は、文字のレイアウトに関連する指定を行なうもので、 開始付箋と終了付箋に囲まれた範囲の文字データに対して有効となる。

結合指定付箋 : 拡張レベル

文字列の途中での改行を禁止することを指定する付箋であり、結合開始と結合終了 で囲まれた、文字列の途中での改行を禁止する。 結合文字列が 1 行の幅より大きい場合の処理はインプリメントに依存する。

LEN  :  2
SUBID:  0                       -- 結合開始指定付箋
ATTR :  UB      −              -- 未使用
LEN  :  2
SUBID:  1                       -- 結合終了指定付箋
ATTR :  UB      −              -- 未使用
結合指定付箋
図 42 : 結合指定付箋

文字割付け指定付箋 : 拡張レベル

指定した幅の領域に文字を指定した方法により割付けることを指定する。 この付箋は、変数参照指定付箋と組み合せて、 不定長の文字列を固定の枠に割付ける場合に有効となる。

LEN  :  4
SUBID:  2                       -- 文字割付け開始指定付箋
ATTR :  UB      kind            -- 種類
DATA :  SCALE   width           -- 割り付け幅
LEN  :  2
SUBID:  3                       -- 文字割付け終了指定付箋
ATTR :  UB      −              -- 未使用
kind :
割り付け方法
0 : 左揃え
1 : 右揃え
2 : 中央揃え
3 : 両端揃え
4 : 均等割付け
width :
割り付け幅を指定する SCALE タイプのデータ。 比率指定の場合の基準値は、文字サイズとなる。

添字指定付箋 : 拡張レベル

文字の前または後ろに付く、上付き / 下付きの添字を指定する。 前付きの時は対象文字の直前に、後ろ付きの時は対象文字の直後に付箋をおく。

LEN  :  6
SUBID:  4                       -- 添字開始指定付箋
ATTR :  UB      type            -- タイプ
DATA :  SCALE   pos             -- 文字位置の移動量
        RATIO   size            -- 文字サイズの比率
LEN  :  2
SUBID:  5                       -- 添字終了指定付箋
ATTR :  UB      −              -- 未使用
    Fxxx xxDU
type :
U :
0 : 下付き
1 : 上付き
F :
0 : 前付き
1 : 後付き
D
0 : 添字のベースラインを上方向に移動
1 : 添字のベースラインを下方向に移動
pos :
添字のベースラインの移動量を指定する SCALE タイプのデータ。
比率指定の場合の基準値は添字対象の文字サイズ(拡大縮小された結果を含む)となる。 移動方向は、type の D で指定された方向となる。
添字指定(1)
図 43 : 添字指定(1)
ベースラインの移動量であるため、 下付き文字でも下に移動するとは限らない。 また、type の上付き / 下付きの指定と、 この移動量は独立であり、 下付きの指定として実際には上部に位置させてもよい。 ベースラインの移動は、 この添字の配置に対してのみ有効なローカルな移動であり、 以降の文字基準位置には影響を与えない。
size :
添字の文字サイズを現在の文字サイズの比率で示す、 RATIO タイプのデータ。 添字の文字サイズの基準となる文字サイズは、 添字対象の文字の縦方向の大きさ(拡大縮小された結果を含む)である。

ルビ指定付箋 : 拡張レベル

ルビを付けるための指定である。

LEN  :  〜
SUBID:  6                       -- ルビ開始指定付箋
ATTR :  UB      attr            -- ルビ属性
DATA :  UB      rubi[]          -- ルビ文字列
LEN  :  2
SUBID:  7                       -- ルビ終了指定付箋
ATTR :  UB      −              -- 未使用
    UUUU xxxP
attr :
P :
ルビ位置
0 : 上ルビ ( 縦書きの時は右ルビ )
1 : 下ルビ ( 縦書きの時は左ルビ )
U :
未定義 ( アプリケーション依存属性 )
ルビ終了付箋の場合は意味を持たず無視される。
rubi :
ルビの文字列自体であり、 この文字列の長さは付箋のサイズにより決定される。 奇数バイトの場合は最後に 0 がパッドされる。 ルビ用のフォント、サイズは、ルビ対象文字列のフォント、 サイズに対応した適当なものが使用される。

禁則指定付箋 : 拡張レベル

行頭、行末の禁則処理の指定である。

LEN  :  〜
SUBID:  8                       -- 行頭禁則指定
ATTR :  UB      kind            -- 行頭禁則タイプ
[DATA : UB      ch[]]           -- 行頭禁則対象文字
LEN  :  〜
SUBID:  9                       -- 行末禁則指定
ATTR :  UB      kind            -- 行末禁則タイプ
[DATA : UB      ch[]]           -- 行末禁則対象文字
    XXXL KKKK
kind :
L :
レベル
0 : 1重禁則
1 : 多重禁則
K :
方式
0 : 禁則なし
1 : 追い出し禁則
2 : 追い込み禁則
3 : ぶら下がり禁則
4〜 : 予約
15 : その他 ( 方式の規定なし )
追い出し :
行末禁則の場合、禁則文字を次の行に追い出す。
行頭禁則の場合、前の行末文字を行頭に取り込む。
追い込み :
行頭禁則の場合、禁則文字を前の行に追い込む。
行末禁則の場合、その次の文字を取り込む。
ぶら下がり :
各行の行末に1文字分の禁則文字領域を設け、 行頭禁則の場合、禁則文字を前の行の禁則文字領域に追い込む。
行末禁則の場合、その次の文字を禁則文字領域に取り込む。
ch[ ] :
禁則対象文字の列、省略可能
禁則ありで省略された場合の禁則対象文字は処理系に依存する。 指定された場合は、指定文字のみ禁則対象とする。

3.5.7 文字修飾指定付箋

文字修飾指定付箋は、文字の修飾を行なうもので、 開始付箋と終了付箋に囲まれた範囲の文字データに対して修飾が行なわれる。

文字修飾指定付箋 : 基本レベル

文字列の修飾を指定する。

LEN  :  2,6
SUBID:  type            -- 文字修飾開始付箋
ATTR :  UB      attr    -- 属性
DATA : [COLOR color]    -- 修飾カラー指定(省略可能)
LEN  :  2
SUBID:  type + 1        -- 文字修飾終了付箋
ATTR :  UB      −      -- 未使用
SUBID:   文字修飾のタイプ ( 終了付箋の場合の SUBID は対応する値 + 1 となる。)
0 : 下線開始 1: 下線終了
2 : 上線開始 3: 上線終了
4 : 打ち消し線開始5: 打ち消し線終了
6 : 枠囲み線開始 7: 枠囲み線終了
8 : 上 ( 右 ) 傍点開始9: 上 ( 右 ) 傍点終了
10 :下 ( 下 ) 傍点開始11:下 ( 下 ) 傍点終了
12 :反転開始 13:反転終了
14 :網掛開始 15:網掛終了
18 :無印字開始 ( 終了付箋までのデータを印字しない )
19 :無印字終了
20〜127 :( 予約 )
128〜 :未定義 ( アプリケーション依存 )
attr:

下線、上線、打ち消し線、枠囲み線 の場合 : 以下の線属性

    DIWW KKKK
D :
線の本数
0 : 一本
1 : 二本
I:
線の濃さ
0 : 100 %
1 : 50 %
W :
線の太さ
0 : なし(線は引かれない)
1 : 細線
2 : 中線
3 : 太線
K :
線の種類
0 : 実線
1 : 破線
2 : 点線
3 : 一点鎖線
4 : 二点鎖線
5 : 長破線
6 : 波線
7 : ( 予約 )
8〜 : 未定義 ( アプリケーション依存 )

上、下傍点の場合 : 以下の傍点属性

    xxxx KKKK
K :
傍点の種類
0 : 「・」
1 : 「、」
2〜7 : ( 予約 )
8〜 : 未定義 ( アプリケーション依存 )

反転の場合: 以下の反転属性

    Axxx xxxx
A :
領域指定
0 : 文字領域のみ反転
1 : 全領域反転 ( 行間も反転 )
  • 文字間は常に反転する。

網掛 / 背景の場合: 以下のパターン属性

    AIDD  KKKK
A :
領域指定
0 : 文字領域のみ網掛
1 : 全領域網掛 ( 行間も網掛 )
  • 文字間は常に網かけされる。
D :
濃さ
0 : なし
1 : 薄
2 : 中
3 : 濃
I :
粗さ
0 : 標準
1 : 粗い
K :
種類
0 : 均等
1 : 縦縞
2 : 横縞
3 : 右上り斜線
4 : 左上り斜線
5 : 黒塗り
6〜7: ( 予約 )
8〜 : 未定義 ( アプリケーション依存 )

無印字の場合 : 意味を持たない。

color :
飾りの色の指定であり、省略された時は文字と同じカラーとなる。 反転の場合は意味を持たない ( 通常省略される )。
修飾終了付箋の場合は意味を持たない ( 通常省略される ) 。

3.5.8 変数参照指定付箋

変数参照指定付箋は、変数を参照する付箋であり、 指定した変数の現在の値を表現する文字列に置き換わることになる。

変数参照指定付箋 : 拡張レベル

指定した変数の現在値を表現する文字列に置き換える。 変数の参照方法として、ID 番号を指定する場合と、 変数名を指定する場合がある。

LEN  :  4
SUBID:  0               -- 変数参照
ATTR :  UB  −          -- 未使用
DATA :  H   var_id      -- 変数ID
LEN  :  〜
SUBID:  1               -- 変数参照
ATTR :  UB  −          -- 未使用
DATA :  UB  name[]      -- 変数名

参照する変数は、特定の ID または名前で予めユーザの実行環境に登録され ている必要があり、この登録は基本的に設定付箋により行なわれる。 正の変数 ID は自動的に登録されるシステム変数に使用され、 以下のものが定義されている。

  0 : 自分自身の実身名
100 : 年 ( 西暦下 2 桁 )
101 : 年 ( 元号 )
110 : 月 ( 数字 )
111 : 月 ( 数字 2 桁 )
112 : 月 ( 英小文字 3 文字 )
113 : 月 ( 英大文字 3 文字 )
120 : 日 ( 数値 )
121 : 日 ( 数値 2 桁 )
200 : 現在ページ番号 ( 数字表現 )
201 : 現在ページ番号 ( 小文字ローマ数字表現 )
202 : 現在ページ番号 ( 大文字ローマ数字表現 )
250 : 全体ページ番号 ( 数字表現 )
251 : 全体ページ番号 ( 小文字ローマ数字表現 )
252 : 全体ページ番号 ( 大文字ローマ数字表現 )

負の変数 ID は、アプリケーションにより定義されるユーザ変数として使用される。

3.5.9 文章メモ指定付箋

文章メモ指定付箋は、ユーザが任意に設定したメモを保持する付箋である。 この内容は単なるメモとしての文字列であるが、 アプリケーションによっては、 メモ文字列の内容が所定の文字列と一致した場合には、 何らかの効果を持つ場合もある。

文章メモ指定付箋 : 基本レベル

ユーザが設定したメモを保持する。

LEN  :  〜
SUBID:  0
ATTR :  UB      −              -- 未使用
DATA :  UB      memo[]          -- メモ文字列

3.5.10 文章アプリケーション指定付箋

文章アプリケーション指定付箋は、 アプリケーションが独自に定義して使用する付箋であり、 その内容はアプリケーションにより規定される。 内容を定義しているアプリケーション ID が内部に含まれており、 同一データタイプ ID を持つアプリケーションのみ、 その内容を理解できることになる。

文章アプリケーション指定付箋 : 基本レベル

アプリケーション固有のデータを保持する。

LEN  :  〜
SUBID:  −              -- アプリケーション定義
ATTR :  UB      −      -- アプリケーション定義
DATA :  UH  appl[3]     -- アプリケーションID
        UB      param[] -- アプリケーション・パラメータ
appl:   付箋の内容を定義しているアプリケーション ID。
        アプリケーション ID 中のデータ ID 毎にこの付箋の内容が定義され
        る。

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