超漢字4 プレスリリース:補足資料


◇GT書体フォント
  超漢字4に実装されている「GT書体フォント」(※1)とは、東京大学文学部と日本学術振興会の共同研究の成果として作成された、全く新しい「文字セット」(文字字形と文字番号の集合体)です。漢字を含む文字セットの規格としては、従来よりJIS第1・第2水準、第3・第4水準、補助漢字、Unicodeなど、いくつかの規格が存在し、パソコンや携帯電話などに使用されていますが、これらの文字セットで定められた漢字の総数は、中国や韓国の漢字を合わせてもせいぜい2万字程度(Unicode 2.0の場合)、日本の漢字に限れば12,000字程度です。これに対して、康煕(こうき)字典や大漢和辞典(※2)などの漢字辞典では5万字前後の漢字を収録しており、JISやUnicodeに含まれる漢字の絶対数は決定的に不足していました。具体的には、人名・地名用の文字や戦前の文学作品などに含まれる異体字、旧字体の漢字などを中心に、JISやUnicodeに収録されていない漢字が多数存在し、結果的に、それらの漢字はパソコン上で扱えない状態が続いていました。この「文字セット」というものは、コンピュータ用の文字のインフラストラクチャとして重要な意味を持っており、人名や地名の正しい表現が必須である公共サービスや電子政府はもちろん、図書館の文献データベースや顧客の名簿管理など、IT技術の今後の発展や実用化に対して大きな影響があります。さらに、欧米では国を挙げて過去の文化コンテンツを電子化し、世界に向けてインターネットで発信していますが、日本ではコンピュータで扱える漢字が足りないために、電子化が困難となっていました。

「GT書体フォント」のプロジェクトは、上記のような問題を解決し、来たるべきIT時代に必須の、漢字の分野におけるインフラ構築を目的として進められてきたものです。具体的には、現在流通している漢字として、広辞苑、NTT電話帳、新聞社、日本印刷産業連合会、各種漢和辞典で使われている外字リストなどを元に、合計19万字の漢字を収集し、それを整理する形で最終的に66,756字の文字セットを定め、「GT2000」の名称にて2000年12月にリリースされました。また、2001年9月には文字の追加が行われ、Ver 2.2となりました。

なお、WindowsやMacintoshなど、超漢字シリーズ(BTRON)以外のOSでは、扱える漢字の数が多くても2万字程度(Unicode 2.0の場合)しかありません。これに、外字として使える領域を合わせても、「GT書体フォント」の66,773文字を、通常の文字として扱うことはできません。Windowsなどで「GT書体フォント」を活用するためには、裏技的な工夫が必要となります。例えば、ワープロなどアプリケーション側の機能として実装されているフォント切替機能を活用し、同一文字コードの別フォントとして、より多くの文字を表現する方法があります。しかし、この方法では、利用可能なアプリケーションや機能が大きく制約されるという問題があります。また、ワープロ等で「GT書体フォント」の文字を検索しようと思っても、文字の検索機能は一般にフォント切替とは無関係ですから、意図しない文字が検索される結果になります。
※1日本学術振興会の未来開拓学術研究推進事業「マルチメディア通信システムにおける多国語処理の研究」プロジェクト。http://www.l.u-tokyo.ac.jp/GT/
※2 大漢和辞典 諸橋轍次著 大修館書店刊。

◇超漢字シリーズとTRONコード
  「超漢字4」のオリジナルバージョンにあたる「超漢字」は、1999年11月にパーソナルメディアから発売され、世界で初めて多漢字・多文字が扱えるOSとして大きな注目を集めました。超漢字シリーズは、150万字(※3)を扱える「TRONコード」を採用したBTRON仕様OSであり、ワープロ、表計算、データベースなどのアプリケーションはもちろん、実身名(ファイル名)やかな漢字変換のようにOS自身の管理する部分まで含めて、全ての場面で多漢字・多文字が使えるという世界初の画期的な機能を持っています。

また、TRONコードに未収録の文字を収集し、継続的に文字の追加とサポートを行っていくための組織として、トロンプロジェクトのホームページ http://www.tron.org/ の中に、「TRON文字収録センター」が設けられています。
※3TRONコードには150万字以上に拡張可能な枠組みも用意されており、事実上無限個の文字を扱うことができます。

◇BTRONの特長
  BTRONの一番大きな特長は多漢字・多文字の機能ですが、それ以外にも次のような特長があります。

○肥大化するOSを反面教師とした、シンプルでコンパクトな構成です
OSとしては Windows XPなどと同等以上の能力を持ちながら、はるかにコンパクトで高速です。Intel 80486DX、16MBメモリ、300MBのハードディスクといったハードウェア構成で十分実用的に動作します。また、多漢字機能を使用しない場合にはより少ない容量のハードディスクでも動作し、古いパソコンも無駄にはなりません。起動時間も10〜20秒程度ですから、気軽にパソコンを動かしたり、しばらく使わない間は電源を止めたりできます。その結果、電気のムダ使いを避けることができ、環境にも優しいオペレーティングシステム(OS)となっています。

また、BTRONのコンセプトは「シンプル」。アプリケーションの肥大化、複雑化により機能を増やすのではなく、シンプルな基本機能の組み合わせによって高度な処理を行うのがBTRONの考え方です。たとえば、ワープロで作った文章の管理も、デジタルカメラで撮った写真の管理も、Webブラウザのブックマークの管理も、開発中のプログラムのバージョンの管理も、すべて同じデータベースソフトで実現できます。1つ1つのアプリケーションはシンプルですから、操作を覚える手間もかからず、組み合わせと使い回しだけで数多くの高度な機能を利用できます。

○インターネットとの相性が抜群です
インターネットのブラウザでは、興味のある箇所をクリックするとその詳しい内容が表示されます。しかし、こういったハイパーメディアの機能は、インターネットが登場する10年前、1980年代のBTRONの設計当初からOSに盛り込まれていました。その結果、BTRONでは、インターネットの面白さと便利さがすべてのアプリケーションから利用できます。たとえば、BTRONのブラウザに表示されたリンクを含む文章データを、ワープロソフトに移動すると、移動先のワープロの中からもリンク先を参照するブラウザを直接開けるようになります。表計算、データベースなどのアプリケーションも同じように連携でき、文章、図形、表、データベースなどいろいろなデータをハイパーメディアでリンクさせながら管理、編集できます。

また、別売のアプリケーション「超漢字ウェブサーバ」「超漢字ウェブコンバータ」を利用すれば、超漢字で作ったハイパーリンクや絵入り、多漢字入りの文章を、自動的にHTML形式のデータに変換してサーバから発信し、簡単な操作で多漢字を含めた情報の共有ができます。他のOSのように、ホームページ作成のための特別なソフトは不要で、超漢字マシン内に作成されたコンテンツの一部がそのままホームページになります。特に、他OSでサポートされない文字を画像に変換して発信する機能を備えているため、InternetExplorerやNetscapeなどWindowsや非BTRON環境のブラウザからも多漢字を含んだ文書を閲覧できます。

◇TRONプロジェクトとBTRON
  BTRONは、わが国の独自コンピュータ技術であるトロンプロジェクトから生まれました。これからの社会は、好むと好まざるとにかかわらず、多くのコンピュータに囲まれ、それらのコンピュータと付き合いながら生活していく必要があります。ビデオカメラを使う時にも、電車の切符を買う時にも、銀行でお金を引き出す時にも、無意識にコンピュータを操作しているわけです。こういった電脳社会を快適に過ごすには、コンピュータ側でも配慮しておくべき点がたくさんあります。そのような問題を研究した上で、将来広く使われるべきコンピュータの土台を設計し直そうというのがトロンプロジェクトです。

特に、トロンプロジェクトの成果の1つであるITRONは、日本国内の大手半導体メーカーが機器制御用のデファクト・スタンダードとして採用しており、昨今普及のめざましい携帯電話をはじめ、家電製品、携帯情報ツール(PDA)、デジタルカメラなどの電子機器、カーナビなどの車載機器、電話交換機などに圧倒的なシェアを誇っています。また、日本国内に限らず、海外のメーカーがITRONを開発した例もあります。一方、トロンプロジェクトのうち、パソコンや携帯情報ツールで動くオペレーティングシステム(OS)、およびその上に実現されるユーザインタフェース、データ形式の標準化などを対象としているのがBTRONサブプロジェクトです。具体的には、汎用コンピュータのためのOSの仕様設計、多漢字や多言語に対応した文字コードの規格化、ハイパーメディアまで含めたデータ交換用フォーマットの標準化、キーボードや電子ペンなどの入力機器の仕様設計、障害者向けのコンピュータの操作仕様など、広範囲な内容を含んでいます。

詳細については、トロンプロジェクトのホームページ http://www.tron.org/ をご覧ください。パーソナルメディアのホームページからもリンクされています。

◇超漢字4用の別売ソフトウェアと関連書籍
  超漢字4で動作する別売ソフトウェアとしては、既に超漢字3用として発売済の次の 製品がご利用いただけます。

  • 超漢字ウェブサーバ/超漢字ウェブコンバータ
    http://www.chokanji.com/cksv/
    超漢字パソコン内に作成された多漢字やハイパーリンクを含むコンテンツを、そのままウェブページとして情報発信できます。このうち、httpサーバの機能まで含むのが「超漢字ウェブサーバ」で、プロバイダ等へのftpアップロード機能まで含むのが「超漢字ウェブコンバータ」です。

  • 超漢字トンパ書体
    http://www.chokanji.com/cktompa/
    中国雲南省の納西(ナシ)族に伝わる世界唯一の生きた象形文字、「東巴(トンパ)文字」の文字フォント(書体)です。トンパ文字は、素朴で愛敬のある形をしているため、日本の若い女性の間でも人気が高まっており、マスコミでもたびたび紹介されています。

  • 超漢字広辞苑
    http://www.chokanji.com/ckkojien/
    岩波書店の「広辞苑」を、超漢字上で閲覧できるようにした電子辞書ソフトウェアです。超漢字の多漢字機能を活かして、印刷書籍版の広辞苑に記載された漢字の字形をパソコン上でも正確に再現しています。

  • 超漢字康煕字典
    http://www.chokanji.com/ckkouki/
    現在使われている漢字の活字字体の典拠とされる「康煕字典」を、超漢字上の画像イメージとして閲覧できるようにした電子辞書ソフトウェアです。超漢字の持つ文字検索機能との連携により、漢字の構成部品(ヘンやツクリ)や読み、画数、異体字、関連字などの手がかりから見たい漢字を素早く検索し、その掲載ページをワンタッチで表示できます。また、オリジナルの「内府本」と日本で翻刻された「安永本」を同時に表示させて比較することもできます。「超漢字康煕字典」には、標準版と高精度版の2種類の製品があります。

  • 超漢字ソリューション for Oracle
    http://www.chokanji.com/ckora/
    Oracleを用いたデータベースサーバと超漢字を用いたクライアント端末とを接続することにより、多漢字に対応していなかった既存のデータベースシステムを多漢字化します。
また、超漢字シリーズの入門書として、インストール方法や基本操作を解説した「はじめてみよう超漢字−ファーストステップ」や、ブラウザや超漢字メールなどのインターネット関連機能を解説した「はじめてみよう超漢字−セカンドステップ」などが発売されています。

◇パーソナルメディアとBTRON
  パーソナルメディアでは、1991年8月にノート型BTRONパソコン「1B/note(いちびーのーと)」を発売して以来、BTRON関連ソフトウェアや関連製品の開発、販売を続けております。これまでに、パソコン用のBTRONとして16ビット版の「1B」シリーズ、32ビット版の「B-right/V」、32ビット多漢字版の「超漢字」シリーズなどを販売しているほか、2001年3月には、BTRONの応用製品の1つとして、HDDのデータ抹消ツール「ディスクシュレッダー」を発売いたしました。また、隔月刊のトロン関連技術情報誌「TRONWARE」をはじめ、ITRONやBTRON関連の仕様書や参考書も多数発刊しており、出版活動を通じたトロンプロジェクトへの参加も積極的に行っています。




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