超漢字の特長を活かす原稿執筆のための専用ソフト
「超漢字原稿プロセッサ2」は、超漢字が備える豊かで多彩な文字表現を活かした、原稿執筆の目的に特化したソフトウェアです。
超漢字には、搭載する18万字もの文字をフル活用するための便利なツールが充実しています。たとえば、読めない漢字でも構成要素や異体字を手かがりに探しだせる文字検索機能や、「高崎」と「髙﨑」といった異体字を区別せずに検索する異形字ゆらぎ検索を標準装備しています。
また電子辞書ソフトも「超漢字広辞苑」「超漢字岩波新漢語辞典」「超漢字康煕字典」とラインナップを揃えています。
このように、文字を探したり利用するのに最適な超漢字という環境の中で、「超漢字原稿プロセッサ2」は“執筆活動”に特化したソフトウェアとして開発されました。本製品は、文筆家の皆様から頂いたご意見を参考に、推敲・校正といった原稿執筆に欠かせない要素を強力にサポートする機能を備えています。
本製品は、以下の特長を持っています。
超漢字原稿プロセッサ2の最大の特長は、推敲・校正のための支援機能です。本製品は「黒ペン」、「赤ペン」、「赤ペン詳細」という3つの編集モードを持ち、元原稿に校正記号が入った文面と、元原稿に修正が反映された清書文面との間をワンタッチで行き来できます。
これまでのワープロソフトにも修正履歴を残す機能がありました。しかし、元原稿のレイアウトを保持しないため、手書きで書いた原稿に比べ新旧の文章を対比しにくいという問題がありました。また元原稿のレイアウトを保持するワープロソフトであっても、追加文字が追加場所から離れた場所に表示され、わかりにくいという問題がありました。超漢字原稿プロセッサ2はこうした問題を解消しています。原文のレイアウトを崩さず、紙原稿を校正するかのように追加箇所のすぐ近くの行間に追加文字の挿入を表示しています。
「黒ペンモード」は執筆の段階で利用します。真っ白な原稿用紙に向かい、まずこのモードで執筆をはじめます。マス目の中に文字の追加や削除が即座に反映されます(「黒ペンモード」の例)。従来のエディタソフトはこのモードだけを持っているともいえます。
「赤ペンモード」と「赤ペン詳細モード」では、文字の追加や削除の履歴が保存されます。原稿の推敲や修正の段階で利用します。
「赤ペンモード」では、追加文字は括弧[ ]で囲まれ赤色で表示され、削除された文字の位置には×印が表示されます(「赤ペンモード」の例)。つまりこのモードでは、画面上には常に文字を追加・削除した結果だけが表示されていることになります。
一方、「赤ペン詳細モード」では、も元原稿のレイアウトを保持したまま、文字の追加や削除が表示されます(「赤ペン詳細モード」の例)。追加文字は、挿入枠として行間に表示されます。削除された文字には、打ち消し線が引かれます。新旧の文章を比較しながら推敲を進めることができます。
赤ペンモードも赤ペン詳細モードも、文字の追加削除の履歴が残っている点は同じです。目的に応じて表示の仕方を切り替えて利用できます。
超漢字原稿プロセッサ2は、本文のレイアウトを崩さずにメモを付ける機能を持っています(メモの例)。文字と文字の間だけでなく、文字範囲を指定したメモを付けることもでき、編集者にあてた編集指示や自分自身へのメモとして活用できます。メモの/非表示は、スイッチひとつで簡単に切り替えられます。
メモの例では、"超漢字"と書いた範囲に「太字」という文字修飾の指示のメモと、"参考図書"と書いた文字の直前に「書名を列挙」という連絡のメモを挿入しています。
日本語特有の文章表現のひとつにルビがあります(ルビの例)。ルビは単に漢字の読みを示すだけではなく、単語に外国語表現をのルビを振ったり、ある言葉に裏の意味を持たせるために利用することがあります。
従来のワープロソフトのルビ機能では、ルビが振られた文字列はブロック化されてしまう場合がほとんどです。そのためその文字列の中にカーソルを入れて文字編集することはできず、編集には別の操作が必要でした。一方、超漢字原稿プロセッサ2では、ルビが振られた文字列の中にもカーソルを移動し、そのまま編集することができます。ルビが振られているかどうかに関係せず、リズムを崩さずに執筆作業に専念できます。
また、ルビ機能を実用的に使おうとすると、「FAX入稿の際にルビがつぶれて読みとれないので、大きめの文字で送信したい」「本文中の単語に長いルビを振ったり、特別な読みを持たせたりした場合に、本文に対するルビの範囲を明確に示したい」といった要望がありました。
そこで超漢字原稿プロセッサ2では、ワープロソフトのような本文の2分の1サイズのルビ表示だけでなく、執筆者が編集者に対してルビの内容や範囲を正確に伝えることができる表示方法を選ぶこともできます。(ルビの範囲表示の例)
このように超漢字原稿プロセッサ2を使えば、ルビを使った原稿も執筆者と編集者とのやりとりをスムーズに進めることができます。
超漢字原稿プロセッサ2では、本文の文字列に圏点を振ることができます(圏点の例)。圏点を使って文や語を強調することにより、別の筋への伏線を張ったり、読者の理解を誘導したりできます。
圏点は、ゴマ、白ゴマ、黒丸、白丸、黒三角、白三角、二重丸、蛇の目の計8種類の記号を使うことができます。縦組み時と横組み時で記号を使い分けたり、複数の用語に対して別の記号を使って区別したりできます。
超漢字原稿プロセッサ2は、執筆に必要な文字組みを自動的に再現します。くりかえし符号の「くの字点(おおがえし)は2マスで(「くの字点(おおがえし)」の例)、句読点に続く括弧などは合成して1マスに収めて、表示・印刷します(句読点に続く括弧の例)。引用時に使う「字下げ」や「タブ」を示す制御文字文字も利用できます。
欧文文字を横に寝かせてたプロポーショナルレイアウトは、キーボードの[半角/全角]を押すだけで切り替え可能です(プロポーショナルレイアウトの例)。
文筆家にとって、執筆は貴重な財産です。紙に書いた原稿と違い、パソコンで作った原稿は、ちょっとしたアクシデントでデータが消えてしまうと元には戻せません。実際に多くの方が、データ損失に涙を呑んだ経験があるのではないでしょうか。
超漢字原稿プロセッサ2では、アクシデントでソフトが強制的に終了してしまった場合にも、執筆途中の原稿を守り、強制終了直前の状態に復旧する機能を持っています。
また、パソコンを使い慣れているからこそ、誤操作も発生します。
超漢字原稿プロセッサ2では、こうした誤操作による保存を取り消し、終了する直前の原稿の内容に戻すことができます。
もともと、BTRON仕様の「超漢字4」は、快適な動作と安定した動作を大きな特長の一つとしています。OSそのものの安定性に加え、超漢字原稿プロセッサ2の堅牢な文書保護機能により、不慮の事故や誤操作による万一の原稿の損失を防ぎます。超漢字原稿プロセッサ2を使い、安心して執筆活動に専念することができます。
BTRONの最大の特長の一つである実身/仮身機能を、超漢字原稿プロセッサ2で利用できます(「仮身メモ」の例)。
他のウィンドウから仮身をドラッグすると、「仮身メモ」として貼り込まれます。基本文章編集の仮身を貼り込めば、情報量の多いメモとして使えます。キャビネットに必要な資料を集めて原稿に貼り込んでおくと、いつでも資料を手に取ることができます。インターネットのブックマークを貼り込んでおけば、すぐにサイトにアクセスできます。「超漢字広辞苑」や「超漢字岩波新漢語辞典」を使って言葉の意味や熟語を調べた場合は、検索結果を保存して貼り込んでおくと便利です。
仮身メモは開いた仮身メモとして、実身の内容を表示させておくこともできます。イラストや図表を開いた仮身にしてメモ欄に貼り込んだり、集めた資料の必要な範囲だけをメモ欄に表示させておくことができます(「開いた仮身メモ」の例)。
実身/仮身機能の詳しい内容は、「『実身/仮身システム』とは」をご覧ください。
超漢字V,超漢字4では約18万以上の文字を自由に使うことができます。超漢字原稿プロセッサ2でも多漢字機能をフルに活用できるよう、異形字ゆらぎ検索が利用できます。
検索/置換時に「異形字ゆらぎ同一視」機能を有効にすると、検索キーに入力した文字とその異形字を同時に探すことができます(「異形字ゆらぎ同一視」の例)。
たとえば「髙﨑」という名前を、文字検索を使って正しい字形で入力したあとで、検索/置換パネルを使って新字体の「高崎」で検索すると、「髙﨑」も「高崎」も見つけることができます。
新字体で入力した漢字をあとから旧字体に置き換えることもできます。たとえば、執筆時は「高崎」で書いておき、推敲時に「異形字ゆらぎ同一視」を使って「高崎」を「髙﨑」に置換することができます。
異形字ゆらぎ同一視の機能は、ユーザ辞書に登録するほど使用頻度の高くない異形字を検索したり置換したりするのに便利です。
異形字ゆらぎ検索機能については、「超漢字Vを使いこなせ!」の「検索条件を設定しよう ~詳細設定」をご覧ください。
超漢字原稿プロセッサ2では、紙の原稿用紙とパソコンのエディタのそれぞれのメリットを融合させた、カーソル位置の記憶機能を備えています。
現在のカーソル位置を一時的に記憶しておき、その後カーソル位置が他の場所へ移った後も、記憶した位置に戻ることができます。
ちょうど、本に指をはさんでおいて読みたい場所までページをめくっていき、そこが読み終わったら指をはさんだページに戻る、というような動作を再現した機能です。
原稿を書き進めていると、書き終わった部分に対して、ふと、より良い表現が思いついたため、原稿をさかのぼって修正作業をおこなうことがあります。また、執筆や推敲の途中で、ある登場人物の名前をまとめて変更したくなった場合には、該当する部分を探しながら修正し、ふたたびもとのページに戻る必要があるでしょう。
この機能を使えば、現在執筆していたカーソル位置を記憶したまま、前後の文章を読んだり修正したりできます。そして作業が終わったら、簡単な操作で記憶した位置に戻って執筆を再開することができます。
超漢字原稿プロセッサ2では、本文に「見出し」を付けることができます。見出しは、文書の章節構造を把握したり、目次を作成したりするときに利用できます。
見出しは、「大見出し」「中見出し」「小見出し」の3段階から設定できます(「見出し」の例)。各章の冒頭や、段落の区切りに見出しを付けておくと便利です。
見出しの付いている箇所を一覧に表示して、一覧から指定した見出しの位置へ移動できます(「見出し一覧」の例)。また、見出しの一覧を別の実身に出力することもできます(実身へ出力された見出しの例)。
超漢字原稿プロセッサ2では、作成した原稿の内容をXML形式でファイル出力する機能に加え、プレーンテキスト形式で出力する機能をサポートしています。WindowsやMacintoshなどを使う編集者への原稿の提供が、ますますスムーズになります。
プレーンテキスト形式を選択すると、原稿に「.txt」の拡張子を付けて出力します。本文の内容のほか、挿入箇所や削除箇所、原稿に貼り込まれたメモやルビ・圏点などの情報は簡易的なマークアップで表現します。
XML形式での出力は、原文の他に追加文字、削除文字、メモなどの情報が含まれた文書データをXMLのタグで表現し、Shift_JISやUTF-8でエンコーディングしたデータを生成します。ルビや圏点など、超漢字原稿プロセッサ2の新機能に対応してバージョンアップしていますので、これまでより詳細な情報を伝達することができます。
また、XML形式やプレーンテキスト形式に変換したデータを、超漢字メールの添付ファイルとして出力できるようになります。出力されたメール用紙に宛先や件名など必要な情報を入力するだけで、すぐに編集者に原稿を送信できます。この機能により、メールを使った入稿がより簡単に行えるようになります。
超漢字原稿プロセッサ2の「原稿用紙設定」では、原稿用紙のレイアウトに関する以下の設定が可能です。
「禁則設定」では、禁則処理とワードラップに関する設定が可能です。
和文禁則処理(行頭・行末)を有効にするか無効にするかを指定できます。
禁則の対象になる文字は、[標準設定]と[拡張設定]から選択できます。また、ユーザが禁則の対象になる文字を、自由に変更することができます。
ワードラップを有効にするか無効にするかを指定できます。
「印刷設定」では、印刷に関する以下の設定が可能です。
「環境設定」のパネルでは、画面表示に関する設定が可能です。
ウィンドウに表示される文字や画面表示色について設定できます。画面表示色は、執筆者の好みや作品のスタイルに合わせて、自由に変更することができます。ここでの選択は、用紙や印刷の設定に影響しません。
ウィンドウに表示される、ページ番号や行番号の表示方法を設定できます。ページ・行番号の設定は、印刷時にも適用されます。
原稿の目標量をページ/行/文字数で設定し、その達成量もしくは残量(進捗)をウィンドウの右上に表示させることができます。達成量表示にすると、執筆した文章の総量を確認できます(達成量表示の例)。残量は数値による表示とグラフによる表示を選ぶことができます(残量表示の例)。
超漢字には、文章を書くためのソフトとして「基本文章編集」が標準装備されていますが、本製品は、特に“原稿執筆という用途を重視して開発されています。
たとえば、原稿用紙の枠を画面に表示したり、書いた文章量の達成度を原稿の枚数で把握する機能により、従来の原稿用紙に手書きで執筆しているときと同じリズムをパソコン上で再現することを可能にしています。また、目標量に対する残量(進捗)表示の機能は、決められた文字数内に原稿執筆する際には、欠かせない機能です。
そして超漢字原稿プロセッサ2の最大の特長は、元の原稿を残しながら、文章の追加や削除ができる赤ペン機能です。メモ機能とあわせて、自分自身で文章の推敲を重ねたいときに、あるいは他人と共同で一つの文章を仕上げたいときに威力を発揮します。
以上のように超漢字原稿プロセッサ2は、パソコンを使って執筆に専念したい方々にぴったりのソフトウェアと言えます。
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