移動/複写などのセル編集に伴い、式に含まれるセル参照・範囲参照、および範囲名によるセル参照・範囲参照は次のように調整されます。
・参照元・参照先のどちらが複写されても、式および範囲名は変化しません。ただし、シート外を参照するような式または範囲名となってしまったときには、その参照は無効状態(#REF#)となります。
・参照元・参照先のどちらが移動されても、移動の対象になっていないセルも含めすべての参照元の式および範囲名が移動に追従して変化します。このとき、座標の表現形式(相対座標・絶対座標)は変わりません。
なお、移動先を参照しているセルがあるときには、参照先のセルが削除されたものとして参照元は無効状態(#REF#)となります。
・セルの挿入・削除でも移動と同様、すべてのセルの式および範囲名がセルの挿入・削除に伴う移動に追従して変化します。また、参照先のセルが削除されたときには、参照元は無効状態(#REF#)になります。
・セルの消去では、参照関係は変化しません。
以下に具体的な例を示します。コンソールを開いた状態で、以下の例を実際に操作して確認してみてください。
次の図のような表を作成します。[1,1]のセルには図にあるような式を入力しますが、実際には「参照先」と表示されます。[1,1]のセルを選択すれば、コンソールには“=[+1,+1]”の式が表示されます。
では、[1,1]のセルを選択し、[1,2]の位置に移動してください。次の図のようになります。このとき、コンソールの表示は“=[+1,]”のように変わっています。このように、移動の場合には参照先のセルが変わらないように、式のセル参照を自動的に変化させています。
では、[1,2]のセルを選択し、[1,3]の位置に複写してください。次の図のようになります。このとき、コンソールの表示は“=[+1,]”のままで変化していません。このように、複写の場合には式は変化しません。したがって、式の参照先のセルが変わるので、式の計算結果も変わります。
この例では、参照元(式の書かれたセル)を移動/複写しましたが、参照先のセルを移動/複写しても同様です。