インタビュー

Vol.12

漢字はかっこいい!~超変換!!もじバケる 開発秘話~

株式会社バンダイ

話題のゲームとのコラボレーション企画


――11月にはモンスターハンターとのコラボ商品「超変換!!モンスターハンターもじバケる」が発売されるとのことですが、話題の人気ゲームとのコラボということで反響もあるんじゃないですか。

桐:想定した以上の反響をいただいています。9月にゲームが発売されてお客さまのテンションが上がっていますし、ネット上でもすでに「すごくいいじゃん。第2弾は?」という書き込みもみられます。

――それは楽しみですね。

桐:「超変換!!モンスターハンターもじバケる」には漢字3文字が入っています。「モンスターハンター」に登場するモンスターの中には漢字2文字や3文字であらわせる通り名を持つものもあって、それを実際に使いました。たとえば、「ゴア・マガラ」というドラゴンは、「黒蝕竜」という3文字を変形させています。パッケージも今までよりも横長で、「3文字入っている」ということをアピールしています。

――リリースなどで写真では拝見していましたが、実際に組み立てたところを見てみると、羽の広がり具合とかがかっこいいですね。デザインはモンスターハンターの担当の方とやりとりしながら進められているんですよね。

桐:もちろんです。「もじバケる」はオリジナル商品なので、社内で全部決められますが、モンハン版はキャラクターをお借りして商品化しているので、カプコンのご担当者さまと密に話をしながら進めています。

今:お互いのこだわりのぶつかり合いですね。

桐:通常の「もじバケる」は、動物のイメージを具現化するという自由度の高い企画なのですが、モンハン版はキャラクターを再現するというゴールが明確にあって、そこにたどり着くのが難しかったです。通常の「もじバケる」でも、動物図鑑を見たりしながら「こういうイメージだよね、こういう形をしているよね」という議論をもちろんするのですが、動物に対してみんなが持っているイメージはわりとバッファがあるので、ある程度勘所を押さえればその動物に見えるんですよね。一方、モンハンの場合は設定がひとつしかない。そこが通常の「もじバケる」とは違って、作るのが難しかったところです。

漢字が形になるワクワク感


――漢字を変形したり合体させたりするパーツに分けるときには、できるだけ文字の形を生かしていると思いますが、具体的にはどのように分けたり組み立てたりしているんでしょうか。

桐:使う漢字が決まったら、それをまず「もじバケる」フォーマットのフォントに落とし込んでみて、そのパーツがその動物のどこに見えるかということを考えていきます。たとえば、鮫の右側の「交」という部分だったら、この部分ってちょっとおなかに見えるよね、とか。あとは余った部分をどうしようかと。「鮫」の場合、余った「魚」という部分が顔に見えるかも……というふうに、字を作ってみて、どこがどの部分に見えるか、どこをどういう部分にすると変形できるか、というところから考えていっています。その上で、できるだけ字をバラバラにしないように使うようにしています。

――漢字はもともといろんなイメージから発生したといわれていますが、それを立体的に再現しているんですね。

桐:象形文字の考え方の逆というか、漢字を象形文字に戻しちゃうというか。

今:漢字を覚えられそうですね。

桐:なかなか日常生活で「鰐」という漢字を使うことはないと思うのですが、「鰐」が書けるようになりました(笑)。

――先ほど「龍」が人気だったとうかがいましたが、「もじバケる」シリーズ全体で一番お気に入りの漢字はなんですか。

桐:全体的に第1弾は思い入れがあって好きですね。第1弾の「犬」は、コンセプトが伝わりやすかったのかな、という気はします。決してかっこよくはないかもしれませんが、メインにして良かったなと思います。第1弾の「馬」も木馬みたいで好きですね。第5弾の「隼」は、「今まで何回も鳥モチーフの漢字をやっているけれど、今までとは違う形に変形させたい」というところからスタートして、試行錯誤した結果、ちゃんと新しい変形方法で隼の形になったのがすごく感動的で印象に残っています。

――製品として注目してほしいこだわりはありますか。手に取ったときにこんなところに注目してほしいとか、こんなこだわりがありますよ、とか。

桐:第1弾のときからずっと変わっていないのですが、一文字の漢字の形をしたものから、そのイメージどおりのものに出来上がるというワクワク感を楽しんでもらえたらと思います。

――組み換えているときのワクワク感は十分あると思います!

桐:パッケージに完成形は描いてありますが、「ここがこうなるのか!」という感動は、自分で変形させて組み換えるからこそ味わえるものだと思います。ぜひ手にとって遊んでもらえたらと思います。

――今後はほかの事業部と連携したりとか、食玩からさらに広がったりはしないのですか。

今:売り物ではないですが、過去には超合金で作った「もじバケる」の参考展示をしたことがあります。今後もいろいろな展開ができたら面白いですね。乞うご期待ということで。

――超合金もかっこいいですよね。では今後もいろいろな可能性がありそうで楽しみです。「超」仲間として応援します! では、最後にこの商品の楽しみ方などを。

桐:「もじバケる」シリーズは、お子さんやお孫さんと一緒に漢字を学びながら親しめる商品だと思うので、ぜひ一通り買って、一緒に遊んでみてください。変形や組み換えはお子さんが得意だと思うので、そういう遊びはお子さんに教えてもらいながら、漢字は親御さんやおじいちゃんおばあちゃんが教えてあげたりしながら一緒に遊んでもらえると、家族のコミュニケーションにもつながるのではないかと思います。

――ありがとうございました。


超変換!!もじバケる


超変換!!もじバケる」は2010年5月に発売になった“一文字の漢字”を組み換えて、立体的な動物に“超変換”することができる、株式会社バンダイのオリジナルの玩具菓子(食玩)。小学生の男の子を中心に子供から大人まで幅広い層への人気を誇り、シリーズ化されている。
2011年に、ニューヨーク近代美術館の永久収蔵品(MoMA Collection)として認定され、2012年2月に「超変換大戦 もじバケるG」シリーズ、2013年9月には、新シリーズ「チョウヘンカン!!もじバケるカナ」が発売になっている。

あとがき

「超漢字マガジン」1周年記念インタビュー、いかがでしたか。
「超変換!!もじバケる」という漢字の新しい楽しみ方が、日常のさりげない言葉がきっかけで生まれたということや、商品化までの苦労や工夫など大変興味深いお話でした。 小さな食玩の箱いっぱいまで詰まっている「超変換!!もじバケる」の漢字が立体化して変型していくワクワク感、「変換」の随所にちりばめられた工夫や発想を、ぜひ実際に触って分解して組み立てて存分に味わってみてください。

今回は、漢字の形のもつ新しい面白さに気づかされました。漢字はまだまだ奥深いですね。次回のインタビューもお楽しみに!


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* 「超変換」「もじバケる」は株式会社バンダイの登録商標です。
* 本インタビューは2013年9月に行ったものです。
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