■LANの利用
超漢字Vでは、LAN で接続されたホストコンピュータにログインしたり、ファイル転送を行うことができます。
これらの機能は、コンソール小物のウィンドウから、CLI (Command Line Interpreter) を起動して、対応するコマンドを入力することで利用します。
◆LANを使用するには、[小物]メニューの[ネットワーク設定]の画面でネットワークの設定を行う必要があります。
†超漢字Vでは、通常Windowsのネットワーク機能を使って接続します。そのため、超漢字V側のネットワークの設定を行う必要はありません。
◆telnet機能、ftp機能は、あらゆるネットワーク(LAN,インターネット)や接続先ホストマシン(ハードウェア、OSバージョン)を保証するものではありません。本機能は、弊社のサポート対象外とさせていただきますので、ご了承ください。
◆telnet機能は、VT100互換のエスケープシーケンスをサポートしていません。いわゆるダムターミナルとしての利用になります。またサポートしている日本語コードは、EUCコードのみです。
◆ftp機能は、put機能とget機能のみを持っています。複数のファイルを一度に転送する機能(mput, mget)、ファイル一覧機能(dir, ls)、ディレクトリを移動する機能(cd, lcd)などは持っていません。
◆ftpによるファイル転送はファイル変換小物や基本ブラウザを使って操作することもできます。
■コンソールを使用する
!コンソール小物からは、CLI を使用して、通常では操作することができない超漢字Vの内部を直接操作することができますので、超漢字Vに必要なファイルを削除したり変更したりしてしまうと、超漢字Vが破壊される可能性があります。十分注意して操作を行ってください。
1≫初期ウィンドウの中の[小物箱]の仮身をダブルクリックして開きます。
小物箱のウィンドウが現れます。
2≫[コンソール]の仮身をダブルクリックします。
コンソール小物のウィンドウが開き、CLIが起動されます。ウィンドウの中がコマンドの入力待ちの状態となります。
∇コンソール小物の操作
コマンドの入力や表示は常に一番最後に行われ、ウィンドウが一杯になると自動的にスクロールします。過去の表示内容は残っていますが、ある程度以上の量になると自動的に最も古い内容から消去されます。
以下のキー操作により画面のスクロールを行うことができます。
†任意の文字キーを押すと画面は一番下にスクロールして、入力されます。
*[↑] 一行上に
*[↓] 一行下に
*左[Ctrl]+[↑] 上の画面に
*左[Ctrl]+[↓] 下の画面に
*[Shift]+[↑] 一番上へ
*[Shift]+[↓] 一番下へ
[表示]メニューの[バッファクリア]を選択すると、すべての表示内容をクリアして空の状態となります。
コンソール小物を閉じると、表示されていた内容はすべて破棄されますので、保存したい場合は、文字列を選択して、[編集]メニューによりトレーに複写してください。
コンソール小物上に表示されている文字列を選択、ドラッグして自ウィンドウ内に貼り込むことにより、入力文字列とすることができます。
コンソール小物では、英数字は常に半角で表示されます。
∇CLIの操作
CLI のコマンドの説明は以下のヘルプコマンドにより表示されますので、最初に必ず目を通してください。
[/SYS/WORK]% ? コマンド一覧の表示
[/SYS/WORK]% ? * コマンド全体の順次表示
コンソール小物を終了すると、CLI、および CLIから起動したプログラムはすべて強制的に終了させられます。逆に CLI の終了コマンドである exit コマンドを実行すると、コンソール小物も終了します。
!ウィンドウに開いている実身を、CLIから操作することは避けてください。アプリケーションが正しく動作しなくなる可能性があります。
†コンソール小物を開くと、作業ファイルは、/SYS/WORK になっていますので、誤操作を避けるためにも、通常は、この作業ファイル上で、CLI による作業を行うようにしてください。
†初期ウィンドウは、/SYS/USR をウィンドウとして開いたものです。
■ホストとの接続をチェックする
ping コマンドにより、ホストコンピュータと LAN での接続が正しく行われているかどうかをチェックすることができます。
このコマンドでは、単に LAN の接続を調べるだけですので、正しく接続されていても、ログインやファイル転送の機能が利用できるとは限りません。
【使用法】
ping <ホスト名>
【使用例】
[/SYS/WORK]% ping myhost
myhost is alive ← 正しく接続されている
■ホストにログインする
telnet コマンドにより、ホストコンピュータにログインして、ホストコンピュータの端末として使用することができます。
ホストコンピュータが、telnet サーバーの機能を持ち、EUC コードに対応している場合に接続することができます。
†SunOS 4.1.3環境へのログインができることを確認しています。これ以外の環境へはログインできない場合もあります。
EUC コードを使用するダム端末としてホストに接続するため、EUCコードに対応していない場合や、エディタなどの端末制御コードを使用しているホスト側のアプリケーションを動作させると表示が正しく行われないことがあります。
telnet コマンドを終了するには、まず、ホストコンピュータをログアウトしてから、左[Ctrl]キーと"]"キーを同時に押します。
【使用法】
telnet <ホスト名>
【使用例】
[SYS/WORK]% telnet myhost
.. key Ctrl ] will get you out
← ホストからのメッージが表示される
login: myname ← ホストにログインする
Password:
← ホストの端末として動作
:::::
← ログアウトする
← 左[Ctrl]+ ]をキー入力する。
[/SYS/WORK]%
■ホストとの間でファイルを転送する
fget コマンドとfput コマンドにより、ホストコンピュータと超漢字Vとの間でファイルを相互に転送することができます。
ホストコンピュータが ftp サーバーの機能を持っている場合にファイル転送を行うことができます
†Solaris 2.5.1環境とのファイル転送ができることを確認しています。これ以外の環境とのファイル転送はできない場合があります。
転送の対象となるファイルの名称は、文字コードの問題を避けるため、英数字(ASCII コード)のみのファイル名としてください。
∇ホストコンピュータからのファイル転送
†ホストコンピュータからのファイル転送はファイル変換小物や基本ブラウザを使って操作することもできます。
【使用法】
fget -u<ユーザ名> -p<パスワード> [-rt<レコードタイプ>]
<ホスト名>:<ホスト側パス名> [<ファイル名>]
<ホスト名> で指定したホストコンピュータの ftp サーバーに<ユーザ名>と <パスワード> でログインして、<ホスト側パス名>で指定したファイルの内容を転送します。
転送した内容は、現在の作業ファイル上の<ファイル名>で指定した名称のファイルの<レコードタイプ>で指定したタイプのレコードとして格納します。
<ファイル名>の名称のファイルがすでに存在しているときは、<レコードタイプ>で指定したレコードの内容が書き換えられます。存在していないときは、新規に<ファイル名>の名称のファイル、およびレコードを作成します。
†<ファイル名> を省略したときは、<ホスト側パス名>で指定したファイル名となります。
†<レコードタイプ> を省略したときは、31 となります。
<ユーザ名> および <パスワード> を指定しなかったときは、再度、入力するように聞いてくるので、そこで入力してください。
【使用例】
myhost にある /home/myname/sample のファイルを転送して、現在の作業ファイル上にsample という名称のファイルの、レコードタイプ 31 のレコードを作成します。
[/SYS/WORK]% fget -umyname myhost:/home/myname/sample
PassWord: ← パスワードを入力する
::
∇ホストコンピュータへのファイル転送
†ホストコンピュータへのファイル転送はファイル変換小物を使って操作することもできます。
【使用法】
fput -u<ユーザ名> -p<パスワード> [-rt<レコードタイプ>]
<ファイル名> <ホスト名>:<ホスト側ディレクトリ名>
<ホスト名> で指定したホストコンピュータの ftp サーバーに<ユーザ名>と <パスワード> でログインして、現在の作業ファイル上の <ファイル名>で指定したファイルの<レコードタイプ>で指定したレコードの内容を転送します。
†<レコードタイプ> を省略したときは、31 となります。
転送した内容は、<ホスト側ディレクトリ名>で指定したディレクトリの下に<ファイル名>のファイルとして格納します。
ホスト側に<ファイル名>のファイルがすでに存在しているときは、そのファイルの内容は書き換えられます。存在していないときは、新規に<ファイル名>のファイルを作成します。
<ユーザ名> および <パスワード> を指定しなかったときは、再度、入力するように聞いてくるので、そこで入力してください。
【使用例】
現在の作業ファイル上にある sample ファイルのレコードタイプ1 (TADデータレコード)の内容を転送して、myhost の /home/myname ディレクトリに sample ファイルを作成します。
[/SYS/WORK]% fput -umyname -rt1 sample myhost:/home/myname
PassWord: ← パスワードを入力する
::
∇実身に対してのファイル転送
ホストコンピュータとのファイル転送の基本的な方法を説明しましたが、実身に対してのファイル転送は以下の手順にしたがって行ってください。
一般に実身は複数のレコードや仮身を含んでいるため、そのままファイル転送を行うことができません。[バックアップ]、または書庫管理によってまとめた形式の実身のみが、ファイル転送の対象となります。
初期ウィンドウ内に作業用のキャビネットを新規に作成して、初期ウィンドウを更新してください。作業用のキャビネットの名称は初期ウィンドウ内の他の実身と重複のない名称としてください。以下の説明では、このキャビネットの名称を work とします。
†作成したキャビネットに対して、コンソール小物上の CLI による操作と、ウィンドウ操作の両方を行うことになりますが、ウィンドウを開いた状態では、CLI 操作は行わないようにしてください。CLI 操作を行う前に、かならずウィンドウを閉じてください。
A. バックアップ形式の実身をホストコンピュータへ転送する。
1. キャビネット(work)内に[バックアップ]で保存した実身
を作成して、キャビネット(work)を閉じます。
この実身の名称を back とします。
2. コンソール小物上で以下の CLI コマンドを実行します。
[/SYS/WORK]% cd /SYS/USR/work
-- 作業ファイルをキャビネット(work)に移動します。
[/SYS/USR/work]% fput -rt1 back myhost:/home/myname
-- バックアップ実身(back)のレコードタイプ1 の内容を
myhost:/home/myname のディレクトリに転送します。
[/SYS/USR/work]% cd /SYS/WORK
-- 作業ファイルを /SYS/WORK に戻しておきます。
[/SYS/WORK]%
3. ホストコンピュータ(myhost)上に /home/myname/back の
ファイルが作成されます。
B. ホストコンピュータからバックアップ形式の実身を転送する。
1. キャビネット(work)のウィンドウは閉じておきます。
2. コンソール上で以下の CLI コマンドを実行します。
[/SYS/WORK]% cd /SYS/USR/work
-- 作業ファイルをキャビネット(work)に移動します。
[/SYS/USR/work]% fget -rt1 myhost:/home/myname/back
-- myhost:/home/myname/back のファイルを転送して
キャビネット(work)内に back の実身を作成します。
[/SYS/USR/work]% cd /SYS/WORK
-- 作業ファイルを /SYS/WORK に戻しておきます。
[/SYS/WORK]%
3. キャビネット(work)をウィンドウに開くと、back の実身が
あるので、この実身をバックアップの「復帰」画面
にドラッグして復帰を行います。
C. 書庫形式の実身をホストコンピュータへ転送する。
1. キャビネット(work)内に「書庫管理」で実身を作成して、
キャビネット(work)を閉じます。
この実身の名称を pack とします。
2. コンソール上で以下の CLI コマンドを実行します。
[/SYS/WORK]% cd /SYS/USR/work
-- 作業ファイルをキャビネット(work)に移動します。
[/SYS/USR/work]% fput -rt1 pack myhost:/home/myname
-- 書庫実身(pack)のレコードタイプ 1 の内容を
myhost:/home/myname のディレクトリに転送します。
[/SYS/USR/work]% cd /SYS/WORK
-- 作業ファイルを /SYS/WORK に戻しておきます。
[/SYS/WORK]%
3. ホストコンピュータ(myhost)上に /home/myname/pack の
ファイルが作成されます。
D. ホストコンピュータから書庫形式の実身を転送する。
1. キャビネット(work)内に、原紙の「空書庫」を作成して、
キャビネット(work)を閉じます。
この空書庫の実身の名称を mypack とします。
2. コンソール上で以下の CLI コマンドを実行します。
[/SYS/WORK]% fget -rt1 myhost:/home/myname/pack
-- myhost:/home/myname/pack のファイルを転送して
/SYS/WORK の作業ファイル上に pack という実身を
作成します。
[/SYS/WORK]% apd -t1 /SYS/USR/work/mypack pack
-- キャビネット(work)に作成した、空書庫の実身
(mypack)に対して、転送した pack ファイルを
レコードタイプ1 のレコードとして追加します。
この操作により、mypack は有効な書庫形式の実身
となります。
[/SYS/WORK]% rm pack
-- 転送した pack ファイルは削除しておきます。
3. キャビネット(work)をウィンドウに開くと、mypack の書庫
実身があるので、この実身を実行して展開を行います。