コマンドの文法

ここでは、コマンドの文法を記述します。

表記:

表記一覧
表記 内容
a|b|c a, b, c のいずれか1つを指定します。
[a] aは省略可能です。

∇コマンド実身

コマンド実身は、基本文章編集で作成した文章の実身であり、基本通信のコマンドを記述します。

文字幅指定付せん(半角付せん)は文字列定数の中でのみ有効です。そのほかの付せんは、すべて無視されます。

行の“#”以降、行末までは、コメントと見なされます。コメントにはシステムスクリプト以外の文字も使えます。空行は、無視されます。

∇コマンド実身の構造

コマンド実身は、以下の構造を持ちます。

【変数定義】

::

【コマンド定義】

::

∇【変数定義】

var 【変数】,【変数】 ...

コマンド実身内で使用するすべての変数を定義します。

変数は、数字で始まらない、

英字、数字、$、 _(アンダースコア)

の文字列で構成されます。先頭2文字で識別されます。

†$で始まる変数はシステム変数であり、定義できません。

∇システム変数

次のシステム変数があらかじめ定義されており、これらの用途以外に使用することはできません。

$R:文の実行結果

$LG:[保存]メニューの[通信記録保存]の状態

"0" OFF
"1" ON

$TN:電話番号設定での電話番号の内容

$AT:電話番号設定のパネルでのモデム設定の内容

$SF:データ送信のパネルでのデータ形式の内容

"0" テキスト
"1" バイナリ

$SP:データ送信のパネルでの送信プロトコルの内容

"0" 無手順
"1" XMODEM
"2" XMODEM/CRC
"3" XMODEM-1K
"4" YMODEM
"5" YMODEM-BAT
"6" BPLUS

$ST:データ送信のパネルでのTADテキスト変換

"0" 行わない
"1" 行う

$SN:送信実身名

†この変数に格納されている半角の英数記号文字は、全角の英数記号文字と解釈されます。

コマンド設定で指定されているキャビネットに、送信する実身を格納する必要があります。

$RF:データ受信パネルでのデータ形式の内容

"0" テキスト
"1" バイナリ

$RP:データ受信のパネルでの受信プロトコルの内容

"0" 無手順
"1" XMODEM
"2" XMODEM/CRC
"3" XMODEM-1K
"4" YMODEM
"5" YMODEM-BAT
"6" BPLUS

$RD:データ受信のパネルでの画面表示の内容

"0" 表示しない
"1" 表示する

$RT:データ受信のパネルでの受信実身タイプ

"0" 文章
"1" 図形
"2" ユーザ定義 1
:
"15" ユーザ定義14

$RN:受信実身名

†この変数に格納されている半角の英数記号文字は、全角の英数記号文字と解釈されます。

$EZ:式の結果となる文字列の全角/半角状態

"0" すべて全角
"1" すべて半角
"2" 式の最初の項目の全角・半角状態を保存

$LG、$TN、$AT、$SF、$SP、$RF、$RP、$RD を設定すると、それぞれ対応するメニュー、パネルの設定も変更されます。

∇式

【項目】[[【演算子】]【項目】]

式は、常に左から評価されます。式の結果は、文字列となります。

式の結果となる文字列の全角/半角状態は、$EZの値に従います。

デフォルトでは、すべて全角になります。

∇項目

【変数】|【数値定数】|【文字列定数】

【数値定数】

【数値定数】は、10進数の数字列です。範囲は、-32768~32767です。

【文字列定数】

【文字列定数】は、" に囲まれた文字の並びであり、最大127文字までの文字列を表現できます。文字列定数にはシステムスクリプト以外の文字も使えます。

数字のみから成る文字列定数は、数値定数と同じ意味を持ち、数値として取り扱われます。

次の文字は特殊な意味を持ちます。

\n LF
\t TAB
\r CR
\b BS
\\ \
\x x x は n, r, b, t 以外の英字
\NNN 8進数 NNN は 001~377, 777。NNN=777 はブレーク信号を表す。

∇【演算子】

==|!=|>=|<=|>|<|

=|||

ο= == と同じ
ο≠ != と同じ
ο≦ <= と同じ
ο≧ >= と同じ

真のとき"1"、偽のとき"0"の文字列となります。

両方の項目が数値のときは、数値として比較します。片方の項目が数値でないときは、文字列として比較します。文字列として比較するときは、言語が異なれば言語指定コードの順、言語指定コードが同じなら属するゾーン順(A<B<C<Dゾーンの順)、同じゾーンなら文字コード順となります。

+|-

両方の項目が数値のときは、数値として演算します。

片方の項目が数値でないときは、無効となり、最初の項目が結果となります。

∇【コマンド定義】

def 【コマンド名】

[【文番号】]【文】

:

end

【コマンド名】は、任意の文字列です。先頭12文字までが有効となり、[コマンド実行]メニューの項目として表示されます。

【コマンド名】を「起動時実行コマンド」にすると、基本通信を起動したときに1回だけ自動的に実行されます。

【コマンド名】の最初を“@”にすると次の文字がメニュー文字になります。

例: def @Pログイン

[コマンド実行]メニューの項目

∇【文番号】

1~9999 の数値で、文を識別する文番号をつけることができます。

∇【文】

beep [【式1】,【式2】]

ブザーを鳴らします。

【式1】10~ 10000Hz (10Hz単位で切り捨て)

【式2】100~ 15000ミリ秒 (100ミリ秒単位で切り捨て)

【式1】、【式2】ともに省略すると、ユーザ環境設定で設定されている周波数、時間が使用されます。

【式1】を0とすると、鳴っているブザーを止めます。

cancel

[通信制御]メニューの[データ送受信中断]の動作を実行します。

dialoff

[通信制御]メニューの[電話をきる]の動作を実行します。

dialon

[通信制御]メニューの[電話をかける]の動作を実行し、結果をシステム変数 $R に設定します。

$R
"0" : 接続できなかった
"1" : 接続できた

exit

コマンドの実行を終了します。

finish

コマンドの実行を終了して、ウィンドウを閉じます。

goto 【文番号式】

【文番号式】の値の文番号の位置にジャンプします。

idle 【式】

【式】の値の時間(秒)だけ、受信データがとぎれるのを待ちます。

if 【式】,【文番号式】

【式】の値が "0"または、"" (空)でない時、【文番号式】の値の文番号の位置にジャンプします。

input 【変数】, 【式】

【式】の値をタイトルとした入力パネルを開き、文字列を入力します。英数記号を入力すると全角文字で表示されますが、【変数】に代入されるのは、半角文字です。【変数】にはシステムスクリプト以外の文字も格納できます。

入力パネルは、以下のような形式になります。

入力パネル

入力した文字列を【変数】に設定します。

入力パネルの操作の結果を、システム変数 $R に設定します。

$R
"0" : [取り消し]スイッチで終了
"1" : [設定]スイッチで終了

print 【式】[,【式】]

【式】の値の文字列を表示します。

[通信記録保存]がON(ONマーク)になっている場合は、通信記録実身にも保存されます。

put 【式】[,【式】]

【式】の値の文字列をホストへ送信します。

receive

システム変数 $RF、$RP、$RN、$RD の値に従って、データ受信を開始します。その終了状態をシステム変数 $R に設定します。

$R
"0" :受信が異常終了した。またはデータ受信のパネルで[取り消し]スイッチで終了した。
"1" :受信が正常終了した。

受信実身名 $RN が ""(空) の場合は、データ受信のパネルが開かれます。受信実身名 $RN が " "(空白1文字) の場合は、YMODEM,YMODEM-BAT, BPLUSの受信のとき、受信実身名はホスト側で指定されたファイル名となります。

無手順のデータ受信の場合は、データ受信の終了を待たずに、すぐに次の文を実行します。このため、データ受信の終了をコマンド内で判断して、cancel 文を実行する必要があります。

search 【式】, 【文字数式】

受信したデータのうち、最後から【文字数式】の値の文字数以内に、【式】の値の文字列が存在するかどうかを調べます。結果をシステム変数 $R に設定します。

$R
"0" : 存在しない。
"1" : 存在する。

【文字数式】が0のときは、最も近い put の実行の直後から現在までにホストから送られてきた文字が検索の対象になります。次の put が実行されるまでは、何度 search を実行しても、検索を開始する位置は変わりません。

send

システム変数 $SF、$SP、$SN の値に従って、データ送信を開始し、その終了状態をシステム変数 $R に設定します。

$R
"0" : 送信が異常終了した。または 送信データ設定のパネルで[取り消し]スイッチで終了した。
"1" : 送信が正常終了した。

送信実身名 $SN が ""(空) の場合は、送信データのドラッグを要求するパネルが現れます。

送信データのドラッグを要求するパネル

[確認]スイッチをクリックしてパネルを閉じたあと、基本通信のウィンドウへ送りたいデータをドラッグしてください。

†[編集]メニューを使うこともできます。

set 【変数】,【式】

【式】の値を【変数】に設定します。【変数】は、【変数定義】で定義されている必要があります。【変数】にはシステムスクリプト以外の文字も格納できます。

sinput 【変数】, 【式】

【式】の値をタイトルとした入力パネルを開き、文字列を入力します。機能としては input と同じですが、入力した文字列は網かけ文字で表示され、他の人から読めないようになっています。

入力した文字列を【変数】に設定します。

入力パネルの操作の結果を、システム変数 $R に設定します。

$R
"0" : [取り消し]スイッチで終了
"1" : [設定]スイッチで終了

sleep 【式】

【式】の値の時間(秒)だけ待ちます。

前のページへコマンドの読み込みと実行 次のページへコマンドの記述例

ページの先頭へ戻る

HOME > サポート情報 > 取扱説明書 > コマンドの文法